ろく

春を背負ってのろくのレビュー・感想・評価

春を背負って(2014年製作の映画)
2.6
2014年に出来た映画なのにどう見ても1960年代映画。古い。古臭い。でもそこがいいんじゃない。思ったこと以上の事は全く起きないんで、安心して観ていられる「予定調和」映画。

出ている人は意外と豪華。松ケンを筆頭にトヨエツ、吉田栄作、池松壮亮、新井宏文。女性は蒼井優がベリーショートでこれ以上ないくらいのかわいさ。さらには壇ふみに安藤サクラ。あの、ひょっとして監督の木村大作が大物なので皆出ざるえなかったのかしらん。いろんな妄想をしてしまう。

蒼井は「青空娘」のころの増村映画のようにこれでもかととんでも演技。松ケンが来ると嬉しさで二階から蒲団にダイブしたり最後は手をつないでぐるぐる回ったりと見ているこっとが恥ずかしくなる演技。まあ木村の趣味だろうが往年のヘプバーンさながらで苦笑しか出ない。

それでも山映画なんで僕の趣味で楽しく見てしまった。ただ山の映し方はいかにも昭和映画で今のドローンを使った映像なんかを見るといかにも古臭い。問題は古臭いことを監督の木村に誰も言えないことだろう(大物だから)。だから平成の末期にこんなザ・昭和な映画になってしまった。

ところどころこれでもかで説明口調のセリフにも苦笑。松ケンもトヨエツも大変だっただろうなぁといろんな心配をしてしまう。松ケンは気持ちを全てセリフで語ってしまう。演技はしなくていいんだよ。そんな雰囲気に同情を感じてしまう。

音楽もところどころ鳴る木管楽器に俺はいつの時代に戻ったんだろうと言う気になる。いいんだ、昭和映画だから、大丈夫昭和映画だから。
ろく

ろく