主役のアンナ・パヴロワが、ハリセンボンの箕輪はるかに似ている。なので(と言うのも失礼な話かもしれないが)序盤の「クッソ明るい娘なの私!」みたいな演技が、なんだか痛々しく見える。しかし終盤になると、ほとんどオヨヨヨと苦しんでいるだけなので、これはこれで痛々しい。個人的には心惹かれないヒロイン像だった。ラストのバレエは良い。
字幕(インタータイトル)の使い方もあまりうまくないと思うが、遂に暴動が始まるとその残虐性に驚かされる。生首が刺さった棒の立ち並ぶショットは、画面の赤い着色もあいまって異様に禍々しい。また、民衆が宮廷の門を突き破ってくる描写も、長めの移動撮影でじりじり撮っていて迫力がある。