Saki

空を飛びたい盲目のブタのSakiのレビュー・感想・評価

空を飛びたい盲目のブタ(2008年製作の映画)
3.2
【一文概要】
インドネシア華人の三世代を巡る、宗教や性のマイノリティーに焦点を当てた物語。


【キーポイント】
・マイノリティー
・LGBT
・性
・宗教
・迫害
・家族


【感想】
・一回観ただけで内容を語るのは厳しいものがあるぐらい複雑。
・時間軸がずれているだけではなく、登場人物も多岐に交差するだけあって「パズル」の様な物語。
・インドネシア華人の差別を「口を塞がれる」=「発言出来ない」事で表し、ホットドッグをくわえたり、男性器をくわえたり、タバコをくわえたり...口に異物が入って言葉を発せられない様子を描いている。
・チャヨノがスティービーの曲を反華人暴動の映像に起用しているが、カラオケ式になっている...「口が塞がれて発言出来ないけれど、発信する」事を表しているのか。
・観る人によって深読み度は違う気がする。
・華人のチャヨノが常に下を向いて歩いているのに対して、将来は「日本人になりたい」=「『上を向いて歩こう』の様にマイノリティーを押しのけて前進したい」というのはかなり深い。
・父ハリムのスティービーワンダー好き(I just called to say I love you)繋がりで自ら盲目になったのか...それとも盲目になってから自分と重なるスティービーワンダーに親近感を寄せているのかは謎。
・家系を継ぐに当たって、宗教の違いが壁になるのだが、そこが不鮮明だった。
・謎が多数残るけれども、色んな推測ができる面では成功作品。
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