harukamori

三日月のharukamoriのレビュー・感想・評価

三日月(2015年製作の映画)
5.0
宗教がベースなんだけど、こんなにあたたかく、且つ異文化を垣間見れる作品ってあるだろうか。
家族の絆や地域のコミュニティとの交流も描かれていて、インドネシアのローカルな雰囲気も興味深い。
信仰深い保守的な父といつも大画面のスマホを見つめてる、ザ・最近の若者みたいな息子の設定も、正反対で面白いし愛着が湧いた。コミカルで笑ったけど、最後は泣きそうになったな。
宗教上の対立、信仰心、世代による意識の違いといった問題は、私にとっては他国で起こっていることと思いがちだ。でもそれ以上に、この作品で描かれているのは人とのつながりとか、モラル、家族とか、誰の心にもあるもの、理解できるものだと感じた。


せっかくTIFFに行って監督のQ&Aセッション見たので忘れないうちに。
すごく若い監督で、宗教という重たそうなテーマを扱ったことに驚いた。
相撲のTシャツ来てたのが嬉しかったし、観客の質問にも興味津々な様子だった。できるだけ馴染みのある風景、家族を撮りたかったために自分の住居の近くで撮影をしたりっていう裏話も聞けた。

いろんな発見があるし、普段は見ないテイストの作品を見られるので映画祭は好きです。
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