すずす

ハレルヤのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ハレルヤ(1929年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ハンガリー系アメリカ人の名匠キング・ヴィダーが自費を投じ、MGMを口説いてまで制作した世界初のアフリカン・アメリカン・ミュージカル・ムービー。

世界初のトーキー映画『ジャズ・シンガー』の2年後、1929年の公開で、サウンド録音も少し進歩しており、ロケ先の音声も拾われています。

小作農家の屈強な若者ジークは、隣りの女性ローズにちょっかいを出している。ジークは綿花を売りに行った先で、酒場の女チックと彼氏ホットショットに騙され、金を騙し取られ、更に、謝って弟を殺してしまう。
改心し伝道師になったジークのもとを、酒場の女チックが尋ね、ジークに懺悔をし、洗礼を受けます。しかし、煩悩に悩むジークはチックへの思いを断ち切れません。
幼馴染ローズに結婚を申し込みますが、数ヶ月後、ジークは伝道師を辞め、酒場の女と結婚して製材所で働いています。
しかし彼女はホットショットと馬車で逃げようと家を飛び出します。追い掛けるジークは発砲、馬車は壊れ、チックは死に、ジークは沼地に逃げ込んだホットショットも殺害します。刑務所で強制労働者として勤め上げ、ジークは母の待つ家に戻ると、大好きなモツ煮込みが待っています。

街の様相に、綿花の運搬方法、そしてタップ・ダンスのルーツが見られたり、黒人霊歌のスイートチャリオットやフォスターの曲も使われています。
特に、黒人礼拝での伝道師の説教の内容を知ることが出来ます。

チックを演じた、つぶらな瞳で妖艶なダンスを披露するニナ・メエ・マッキニーは「黒いグレタ・ガルボ」と呼ばれ、セックスシンボルの原型を作ったとも云われているのだそうです。
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