ルーク大佐

さらば愛しきアウトローのルーク大佐のレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.8
老境の名優ロバート・レッドフォードの演技に対し、チャーミングというのもギャップがあるかもしれないけど、一言で感想を聞かれたらそれに尽きると思った。

実在の紳士強盗のキャラや行動を多少は美化したり、脚色したりしていると推測するが、それでも彼のキャラには独特の映画的魅力がある。
それは明るさと無邪気さとゲーム感覚で強盗を楽しむ姿だ。

デビット・ローリーの演出もうまい。なんてことはない地味な話であるのに、最後までストーリーへの関心が醒めることはない。

おそらく20代でこの映画を見たら、きっと早送りするか途中離脱したくなるだろう。派手な銃撃戦もないし、銀行強盗のやり方は拍子抜けするほど淡白だし、警察との頭脳戦があるわけでもない。
マイケル・ベイ作品『アンビュランス』の対極ともいえる。

笑いながら強盗を楽しむ彼の姿に興味を惹かれ、「うまく逃げれるのか?」と心配してしまう。完全に監督とレッドフォードにからめとられているのだ。

Jazzの音楽がよかった。場面にあわせてビートを上げたり、緩めたり。このセンスがまた紳士強盗をおしゃれに見せている。
映画を見ている間は、1980年代にトリップできる。
不思議な魅力を持つ映画だった。
ルーク大佐

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