湯っ子

逃げ去る恋の湯っ子のレビュー・感想・評価

逃げ去る恋(1978年製作の映画)
4.0
パリの街を走り続ける男、アントワーヌ・ドワネル。そのシリーズ完結編。
ドワネル≒トリュフォーの自己批判や、母との確執に対する決着が軽やかに描かれている。クリスティーヌとの結婚や離婚、息子に対する比重は軽やかというより軽すぎて、だけどそれがアントワーヌ・ドワネルなんだろうなとも思える。
めくるめく恋の只中にいるアントワーヌと、ぐるぐる回る遊具に身を任せる幼き日のアントワーヌ。人間の根っこの部分ってずっと変わらないのかな。
女性たちのファッションも楽しい。
元妻クリスティーヌは上品で軽快。メインカラーは青。弁護士になったコレットの真っ白なドレスはエレガントでセクシー。でも彼女を象徴しているのは、白黒ハッキリなモノトーンの法服みたい。今カノサビーヌはキュートでカジュアル。いつもスイートなピンクを着ている。
それぞれが身につける色も、彼女たちのパーソナリティやアントワーヌとの関係性を表しているみたいだった(コレットがブルーのドレスに花束で登場するのは、彼女が恋する男性に会いに行く時だったし)。
湯っ子

湯っ子