金宮さん

きみの鳥はうたえるの金宮さんのレビュー・感想・評価

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)
3.5
曲解かもしれないんですが、目指すものすら何もないモラトリアム時期をとてつもなくダサく描くことによる「そんないいもんでもないぞ」の注意喚起に感じました。

「コンビニのレジ前で仲間と大はしゃぎ」「真昼間お弁当屋で大声セックストーク」「20代前半の"歳とったなー"」「失恋の際はカラオケで昭和歌謡のアレンジverをチョイス」清々しいほどにダサい。さすがに路上の祝花持ち帰りは窃盗なのでやったことないですが、同族嫌悪も少々あり恥ずかしいですね。

染谷さん柄本佑さんは流石すぎ。とくに佑さんは最近かっこいい役柄や、記者会見等での人格者っぷりを拝見していたのでなおのこと。

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・同世代のモラトリアムを描いているという点で「明け方の若者たち」と関連性を感じます。あちらの作品には、「モラトリアムを自分的に終えると、そこを懐かしむという楽しみが待ってるよ」という希望がありました。今作の3人はどうなるんでしょうかね。

・クラブの演出がめっちゃ素敵でした。ラッパーのメッセージ強めなリリックは主人公たちの耳には右から左ぽい。その後石橋さんの印象的なダンスで流れるチル系の曲は儚げな感じ。空虚感を演出するため安直にアップテンポの曲を用いることなく、ひと味違いました。

・所謂「邦画ぽさ」の代名詞だなーという印象も。他にどれが?と言われたらあんまり思いあたらないので「邦画ぽさ」自体がまやかし説もありますが。
金宮さん

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