彦次郎

ドラゴンへの道の彦次郎のレビュー・感想・評価

ドラゴンへの道(1972年製作の映画)
4.2
ギャングに狙われたローマの中華レストランのもとに香港から弁護士代理で来たタン・ロンが悪党どもを成敗する監督・脚本・武術指導・主演の全てブルース・リーのカンフーアクション。
始めは女店主チェンやレストランの従業員達から馬鹿にされるもギャングたちを叩きのめすと評価が一転する、お約束ながらも痛快な展開です。本作でリー演じるタン・ロンはさっぱりとした明るい性格で段々と店のメンバーと交流を深めていくのは”ユーモラスなところが普段の彼に一番近い”とリンダ夫人が証言している(Wikipediaより)ように微笑ましいものがあります。相手がヌンチャク持ってもどうにもならないというギャグもぶち込んでいるし明るい演出が好きな人だったのかもしれません。とはいえギャング側が誘拐・暗殺・騙しなどあらゆる卑劣手段を講じてきたり、平和主義者の裏側を提示したりと単純そうな話にも黒い部分があるのが良かったです。
ギャング側が拳銃すら制するタン・ロンには成すすべもなくアメリカから空手の達人コルトを呼ぶことで決着をつけようとします。このコルト演じたのがまだ本格的に俳優になる前のチャック・ノリスでコロッセオでのタン・ロンとの死闘は本作のハイライト且つブルース・リー作品でも恐らくはベストバウトでしょう。これに関しては言葉でなく鑑賞していただきたいところ。リーの目の動きによる演技が印象的で観戦者は猫のみで動物の鳴き声から決闘が始まるのもユニークでした。
映画の登場人物以上にブルース・リーのキャラクターが強烈すぎるきらいはありますがリーがとにかくカッコいい作品。蹴り上げて電灯叩き割ったり、ヌンチャクを振り回して決めてみたり、高速な蹴りと拳で敵を叩きのめしていく姿はいつ見ても熱くなれます。
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