ラウについては仲野太賀たちと同じ視点なので当然謎、しかし仲野太賀たちについても分からない部分があるまま進行する。ラウの不思議さはあるがベースは日常の物語なのに凄く惹きつけられた。その日常のリアリズムと非日常のリアリズムの両立は日本アニメ的に感じるがそれを実写映画で魅力的に撮っているのが凄い。
世界には、人間の力が作用し得ない範囲が存在していて、その代表格が自然だろう。津波という事象もラウが海から来て海に帰ることとと持っている能力はその象徴なのが明白だと思う。また途中に国籍に関する会話が出てくるがそれはあくまで社会が作った規範であるという視線がラウの象徴性や自ら選び取ったという仲野太賀の設定から感じられる。
船上で歌う4人の画がすごく美しかった。