全篇落ち着きのなさと救いようのなさ
ハルベリーに元007俳優とメンツは揃ってはいるものの、LA暴動への要因となった史実録画にフィクションエピソードを塗りたくったようなごちゃごちゃの作品。
史実録画における白人警官の黒人に対する暴行は度が過ぎているのは明白だが、万引き少女に対する銃撃は史実録画だけでは何とも言い難い。映画の再現映像では女性店番の顔を黒人万引き少女が何度も殴打した挙句の銃殺となっていたけれど、それが真実とするなら恐怖と怒りの感情から衝動的に引き金を引くということもあるのだろう。
問題はその後の店番に対する量刑が軽すぎたということ。そして黒人暴行の景観たちが不起訴になったということ。
しかし、それが暴動の引き金になったとしても、救いようのなさは「火事場泥棒」を働く卑しい輩が大勢いたということ。
本作はそれらの描写が不十分という印象で、ジェラシーからの衝動的友達殺しなど、十分に当時のLA暴動を描き切っているとは思えなかった。
ハルベリーと007も出損だったんじゃなかろうか。
0.8の一つ星
002012