ポンコツ娘萌え萌え同盟

ジュデックスのポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

ジュデックス(1916年製作の映画)
3.9
コカンタンはこっちの方が可愛い。
全14編(12話+プロローグ&エピローグ)で構成された無声映画の5時間超えの大長編活撃………。
各話数との区切りでサブタイが入るのでアニメ一気見している時のような感覚だった。

大長編とはいえ壮大極めた物語というわけではなく、登場人物がファブローとその因果を軸に(一部除いて)、その中にいるジュデックスという一人物の生まれ変わりの物語だと思う。
内容はサスペンスだけど、ヒーロー物語のようにも捉えられる。車についてくる犬の探偵団や第6話の子供と遊ぶコカンタンなどコミカルな場面も結構もあって楽しかった。

しかし最初こそファブローを殺そうとするもジュデックスはその娘のジャクリーンの守護者となる。
彼が子供に頃に起きた事件から誓い、呪縛の中で生きる人物関係の渦にあるけどそれを断ち切るのは愛……愛だね…。愛と救済。

だけど一方で本作はモラレスが個人的にかなり印象に残る。
ファブローではない。
守護者へと生まれ変わったジュデックスとは正反対の像のキャラクターをしているように感じる。悪魔の囁きを受け生まれ変われなかった彼。
途中までただの悪役しかも1963年版は完全に悪なので、彼の存在ここまで本作に奥行きを与えるなんて微塵も思っていなかった