彦次郎

カプリコン・1の彦次郎のレビュー・感想・評価

カプリコン・1(1977年製作の映画)
3.8
有人火星探査機で宇宙に旅立つ3名がエンジントラブルによる政府の隠蔽に巻き込まれるSF社会派サスペンス。
都市伝説に人類は1969年に月に行っておらずスタンリー・キューブリックによりスタジオ撮影されたものというものがあります。風もないのに旗がはためているとか当時のショボいコンピュータ技術で可能だったのか等数多の疑問点が提示されていましたが本作もその発想に基づいております。題材はSF的ですが強行すれば確実なる死の為に偽装を行い帰還時のトラブルで本当に死んだ事にする必要になったという寧ろ国家陰謀説を描いた作品。
冷静に考えると偽の火星スタジオをセットしたであろう職人さんとかの箝口令はどうなっているのかという疑問も湧きますが生きながらの埋葬となる過程は有り得そうで面白かったです。
水なき荒野を彷徨う姿は宇宙旅行に匹敵する苦難でしょうが崖を登りきった後の絶望感は人間不信も含めて上回っているようにも思えました。荒唐無稽なヘリからの逃走などのツッコミどころは有りますがそれを含めても見応えあり。
NASAが協力してたけど内容を知って非協力になったエピソードが有名ですが逆にこの内容で協力して貰えるだろうと思ったスタッフもなかなか凄いと思います。
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