このレビューはネタバレを含みます
ラスト桜井日奈子さんが生きる意味を見出すところで単なる感動ともいえない気持ちに揺さぶられる。
その前フリとなっているのが、乱暴すぎる言葉づかいで表現される主役2人の厭世感だと思うのだが、流石にやりすぎてる感じにちょっと乗りきれなかった。「死ぬ」「殺す」を言いすぎで、もっと他のボキャブラリーが欲しかったかもしれない。
中盤、屋上で「私が死んだらどう思う？」に対して間宮さんが返答するところなんかは会話のトーンが自然体になっており、防御壁が徐々に薄くなっていく様の表現は丁寧にできているだけに、こじらせマックス状態のところにもう少しリアリティが欲しかった。
同日に『なっちゃんはまだ新宿』を観てしまったのもよくなかった。女子高生の自然体描写で首藤監督と比較しちゃうと誰でも分が悪い。
ーーーーーーこっから超絶ネタバレ
乱暴に言うとキミスイとの違いは間宮さんの「死」を観客が予見できているかどうか。
確かにまったくの不意打ちだったので、こちらの方が印象に残りやすいが、どうも叙述トリック的にそれをやられるとちょっと冷める自分がいることに気づきました。
メッセージそれ自体はとても素晴らしい作品だと思うので、それの伝え方は直球でいいじゃない的な感じです。
