藤原季節さん演じる迅の見え方がどんどん変わっていきます。流石に序盤は随分勝手だなあとは思ってしまいますね。
ところがパイプオルガンの仕事を紹介してもらうところの"これまでは長続きしなかったんですが、これからは頑張ります"で確信。ああ素直な人なんだと。
素直がゆえに空ちゃんの言葉をきちんと受け止め、自分の非を心から自覚しはじめます。
裁判の尋問シーン。観ている私も感情移入して「子育てするつもりなら仕事もフリーランスやめて安定したらいいいのに」と妻側の非を見つける発想がよぎってしまったんですが、迅は「生活のために働いてくれていたんだね」と妻に謝罪。私が浅はかだったと反省しました。
親権の奪い合いって(どちらかが相当ヤバくない限りは)「私の方が正しいんだ!」っていう自己正当化代理戦争の要素があると思います。ラストシーンは妻側もそこから解脱。迅と交流を持ち続けるという、素直に考えれば空ちゃんにとって最良の選択にすすめたのかなと爽やかな気持ちになりました。
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・素直な藤原季節さんっていうのも中々見ない気がしました。本当に奥行きのある俳優さんですね。
・田舎の老人達の方が、都会の若者(気取り)よりLGBTについての理解があることは好きな描写。松本穂香さんも言っていましたが、年の功ですよね。
・鈴木慶一さんの"誰かと出会って影響を受けるのは人生の、醍醐味だ"は素敵な台詞です。高倉健さんがかつて「人は人と出会うために生まれてきたんだ」と何らかの人生相談でおっしゃっていたのを思い出します。色んな人に出会って学び続けるために、やはり素直さを持ち続けたいですね。