彦次郎

大怪獣のあとしまつの彦次郎のレビュー・感想・評価

大怪獣のあとしまつ(2022年製作の映画)
2.7
腐敗及び爆発の危機がある巨大怪獣の死骸処理に翻弄される日本政府と解決に奔走する特務隊アラタを描いた空想特撮コメディ。
怪獣を倒す話は多いですが倒した後の処理について焦点を置いた珍しい設定で発想は斬新です。怪獣のCGもリアルで荒唐無稽になりがちな話にリアリティをもたらせていました。出演される方も山田涼介、土屋太鳳、濱田岳、オダギリジョー、西田敏行を始めかなり豪華。とここまで書くと美点しかありませんがあまり評価が芳しくありません。他の方のレビューを拝見すると『シン・ゴジラ』などの作品などを鑑賞した方々からの期待にはそぐわない内容(下品なギャグについての言及が多かった)ように見受けられます。個人的には思考実験としては面白い着眼点だと思いましたが、いかんせん薄味というか話が冗長に感じてしまいました。たぶん本編たる怪獣の後始末という本筋に加え、アラタと元特務隊員ユキノと夫正彦の三角関係的恋愛ドラマ、右往左往する日本政府の愚かさを描いた風刺劇を描いたことで薄味になってしまったからだと推察されます。
自分的にはせっかくの思考実験なのに終盤の展開はエンターテインメントとしては有りだけど残念な着地点でした。
でも怪獣に「希望」と名付けるセンスは本当にありそうで的を得ていると思います。
胡散臭さを丸出しに演じていた松重豊さんが印象的でした。
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