てつこてつ

デュー あの時の君とボクのてつこてつのレビュー・感想・評価

デュー あの時の君とボク(2019年製作の映画)
2.8
韓国オリジナル「バンジージャンプする」が、異色なテイストながらもとても面白い作品だったので、このタイリメイク版も鑑賞。

タイ映画ゆえに、ベタなBL物で始まる展開は、まあ有りだとしても、中盤から主人公が大人になるシーン以降、役者さんが余りにも高校生時代を演じたどちらの役者にも似ていないため、結構、終盤に行くまで恥ずかしながら、てっきり別の人物だと思い込んでた・・それなりに集中して観てたので、こういった誤解を生むのは、やはり脚本に欠陥があるのだと思う。

また、オリジナル版の男子高校生役を女子高校生に変更したのも思い切った試みではあるが、そもそも論として、LGBTをテーマにした作品かと匂わせながら実は・・といった非常に巧妙なオチがあったオリジナルのテーマが全く活かされておらず残念。

オリジナル版が、イ・ビョンホン演じる高校教師と男子高生のストーリーにほぼ焦点を合わせていたのに対し、こちらのリメイク版はサブキャラクターが余りにも多く登場し過ぎており邪魔。

大人になった主人公の妻、女子高校生のボーイフレンド・・。ついでに書くと、高校生時代の主人公の母親を演じた女優と大人の主人公の妻役の女優が酷似していて一瞬一人二役??とか思ってしまった。

脚本にも欠点があるものの、やはり、作品を引っ張る主人公を演じた俳優さん・・タイでは非常に人気があるイケメン俳優扱いらしいのだが、稲川淳二を若くしたような風貌で、この劇中での高校教師としての振るまいは、ストーカーまがいで色々と気持ち悪い。改めて、多くを語らずとも目や表情の演技が巧みであったイ・ビョンホンの演技力の高さを思い知らされた。

女子高校生を演じた女優さんはフレッシュで魅力的だし、タイ北部チェンワン郊外の広大な自然の美しさもいい。ただ、120分超えは長すぎる。

この作品に満足した方はもちろん、納得できなかった方はなおさら、機会があれば韓国オリジナル版を視聴してほしい。
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