ルーク大佐

アムステルダムのルーク大佐のレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
4.0
長編映画を選んだのは「ちょっとしくじったかな……」と思いながら中盤までの1時間をやりすごす。

役者の演技はうまいし、音楽はチャーミングだし、脚本のところどころにシャレた文句が挟み込まれてるし、ポリコレや鳥撃ちネタなどもそんなにしつこくないのだが、何かが足りない。謎が小さく見えるのだ。

1930年代アメリカで起こった陰謀論がネタ元になっている。
陰謀論といっても、場面転換にあまりスピード感はなく、銃弾が飛び交う銃撃戦もなく、主人公の医師クリスチャン・ベールの独白が淡々と続く。

ところが残り40分くらいから、珍しく硬派な役柄のデニーロが画面に登場するとサスペンス度が上がり、謎解き物語の吸引力は高まってきた。

ラスト10分のセリフは押しつけ感や気取った感もなく、ほどほどのエネルギーで人生観を指し示す。
これだ!ラッセル監督の底力は!このゆるさが良い。

そしてエンドクレジットで流れる映像と音楽。
グラミー賞ノミネートシンガー、GIVEONが歌う“Time”が圧倒的な世界観で物語のクオリティをアップさせる。
何度聴いても飽きない名曲だ。

最初ダラダラで不満を抱きつつも最後まで見届けてホントによかった。
ポイント4.0台は外せない映画になった。
ルーク大佐

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