ペイン

チーチ&チョン/スモーキング作戦のペインのレビュー・感想・評価

4.7
ハーモニー・コリン『ビーチ・バム』の源流。漏れなく最&高。

コリン自身が雑誌POPEYEの2019年7月号で、“無礼で雑な笑いがあった頃の好きな映画”として『ナーズの復讐 II』(1987)、『バーニーズ/あぶないウィークエンド』(1989)という作品と併せて本作『チーチ&チョン スモーキング作戦』(1978)を挙げていたのだが、まさに作り込みすぎていない“雑な笑い”が堪能できる逸品。

終始ゆるゆるラリパッパロードムービーで、『インヒアレント・ヴァイス』『ビッグ・リボウスキ』『ロング・グッドバイ』辺りの70年代LA映画好きなんかは必見。また、舐めてると突発的に繰り出されるギャグのアクションのキレが凄い。尼さんのくだりとかは本当に最低と思いながらも同時に最高ってなりましたね(笑)

近年の『ハングオーバー』シリーズとかもまぁ楽しくないことはないんだけれど、やはりこの時代のコメディやLA漂流モノのような底抜けの朗らかさ、自由さは感じられなくて少々窮屈さがある。

エンディング曲の歌詞にあるように、
“人生は時につらく危険な局面を迎えるが、そんなときはハッパ吸って一服やって面倒な事をすべて忘れればいい“と。窮屈なご時世にあって、皆それぞれこの思考は頭の片隅に置いておかねばならない。
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