金宮さん

僕たちは変わらない朝を迎えるの金宮さんのレビュー・感想・評価

3.0
『市子』の監督が、自分の作家性を丸出しにしたらこんな作品になるのが意外だった。

映画監督は私生活で発生した別れをどのように脚本に反映させるべきか?「理想ではなく希望を書け」と先輩に言われてしまう。なんか言葉遊びみたいなアドバイスになってて、この先輩自身が陶酔してそうな感じもあるが、要は「現実的なこと書け」ということのようだ。

んー。どうだろう。意識すべきは、作り手が体験の中で実際に実行できる範囲内かどうか?より登場人物の行動としての現実感な気がする。

自分は登場人物と自分自身を切り離すことができる作家の方が好きなんだなあとあらためて思った。そういう風にしていると理想を書くこともあるんじゃなかろうか。

ーーーーーーーーー

・主要キャラ3名は全員演技上手い。特に若手女優を演じた桃果さんは小悪魔っぽいのか、生真面目なのかがわからない感じがとてもよかった。でも流石に今作の関西弁設定はいらないと思う。早口ではない関西弁って、ネイティブじゃなかったらだいぶ難易度高いということがわかる。「2人の自然体」を演出するのが狙いだなーが丸見えになってしまっていた。

・タイトルがよくないっす。原作もので似たようなのがたくさんあるので、オリジナルならもうちょっと捻れたはず。
金宮さん

金宮さん