彦次郎

アフリカン・カンフー・ナチスの彦次郎のレビュー・感想・評価

3.8
アフリカはガーナで戦争を生き延びたヒトラーと東條英機が空手と魔術的パワーを持つ日独同盟旗「血塗れの党旗」でガーナ人を「ガーナ・アーリア人」として洗脳し圧政していくなか師匠を殺され道場を潰され指を2本失い恋人も奪われた青年アデーが敵のトーナメントに挑むアクション。
復讐のため強力な師匠のもとでパワーアップしてボスに挑むという香港アクションのような筋立てですが設定がぶっ飛んでいて所謂バカ映画に相当しています。魔術パワーで若さを得たヒトラーと東條英機が空手の達人と化しゲーリングもなぜか巨漢の黒人へ進化。ガーナ人は関西弁で話をしているというシリアスとみせかけてフザケタ世界観となっております。殺される師匠は真面目系ですが後からの師匠3人(1人は呪いを解くのを教えてくれる人だけど)が個性的すぎます。特に入門するには指3本でなくてはならぬと指切りを本気でしてこようとする2人目のオッサンは狂気ですが彼の教えで強くなっているのも確かなところは面白かったです。
ギャグのみで寒い話になりがちですがガーナ人の身体能力が高いのか主人公のみならず1回戦でやられる奴も筋骨隆々でアクションが上手いので見ごたえありです。覆面レスラー風、道場が同じの幼馴染、デブ女子、ゲーリングなど個性が満載かつテンポが良いのでトーナメント自体かなり楽しめました。トーナメントでキャラが死ぬ前にお決まりのBGMが鳴るので小生も頭が洗脳されそうになりました。キャラの死に様が若干、漫画太郎先生の作品に見えなくもありませんがそこは偶然でしょう。
脱ぐと中年メタボ体型で巨根能力を持つ変態みたいな東条英機ですが戦うと拳に光を放つ超実力者だったり意外性もあるところも見逃せません。ラスボスのヒトラーとの決着も銃撃戦とカンフーアクションだと思っていたところの想像を超えておりました。
ところで本作はなんと続編の制作も決定されたようです。ラストからどう考えても不可能なヒトラーの復活が果たされているようで次作もイカレた作品になることを切に希望いたします。
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