彦次郎

地獄の花園の彦次郎のレビュー・感想・評価

地獄の花園(2021年製作の映画)
3.8
ヤンキーOLたちが喧嘩で派閥抗争を繰り広げるギャグアクション。脚本はバカリズム氏。
中途採用された元カリスマヤンキーのOL北条蘭は圧倒的な喧嘩の強さからたちまち会社のトップに立ち平凡なOL田中直子(本編の語り手)と仲良くなるという設定が『クローズ』風ですが、本作は簡単にいうと学園ヤンキーモノの男性をOLに学校を会社に変えることで笑いを生み出している作品といえます。個人的には蘭が「悪魔の朱里」、「狂犬紫織」、「大怪獣悦子」を倒し社内制覇を成し遂げるまでのスピードが異様に早く社外の敵ヤンキーOL達も狙ってくる展開のテンポがかなり良いのですが実はこれが所謂「溜め」になっており実は…という少年漫画的要素が最高でした。「地上最強のOL」鬼丸麗奈(小池栄子)との闘いまでの盛り上がりも良かったです。残念なのはそれ以降が階段を上るような勢いが無くなるというか少し方向性が変わっているところです(詳しく書くとネタバレになるのでご容赦ください)。ここまできたら世界のOLたちと戦ってほしかったです。でもオチはOLらしくて好きなので脚本としてはこちらで正解だったのかもしれません。
全国のヤンキーOLたちが戦いを挑んでくるので仕事はどうなっているのか?というツッコミが湧きそうですが昼は皆様真面目に仕事をこなしているのがかなり笑えました。笑いといえばヤンキーOLなので当然女性がメインですがなぜかトムスン三銃士と元締めを演じるのは男性。冷酷なくせに鬼丸伝説を番組風に解説したりするユーモアのある「魔王」赤城涼子を演じた遠藤憲一が本作で1番印象的でした。
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