ゲイの安藤くん(神尾さん)に恋する、BL好き三浦さん(山田さん)がとにかく可愛らしくて真っ直ぐです。
でも真っ直ぐすぎて観覧車での告白は、けっこう好きの暴力性が高いなと思いました。断りづらいですよね、あれ。あの段階では、好きという感情に相手への慮りはそこまでない雰囲気先行型の片思いに見えます。学生なんでとても健全なことなんですが。
ただ、安藤くんのカミングアウトを経て彼と真剣に向き合うこととなり、その片思いは対人間としての愛情にまで昇華します。そして、最初は「普通になりたい」という動機で付き合うことを決めた安藤くんから三浦さんへの気持ちも、三浦さんの愛情を受けることで、鏡写しのように人間愛へと向かうこととなります。
実はとっても普遍的な恋愛に関しての成長物語。「告白するなら相手を慮った状況で」「不倫や二股はダメ」「セックスは焦らず順序だてて」ですよね。
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今作の白眉は小野というキャラクター。実は彼自身がゲイに対して偏見を持ってないっていうのは、本当に一貫してるのが発言からうかがえます。友情至上主義なため、安藤くんが秘密にしてたことが不誠実に思ってまう。だからといって心ない言葉を言ってしまったりだとか、周囲にバラしてしまうのはあまりに配慮不足ですが。
セクシャルマイノリティを扱った作品のノンケって、めっちゃ理解あるか偏見マックスかの両極端が多いんですが、小野の塩梅はとてもリアル。嘲笑ってたくせにディスカッションになると綺麗事を並べるクラスに居心地が悪くなる感じ、彼に共感する人も少なからずいるはず。ということは鑑賞者の反省にもつながる素晴らしいキャラ造形だと思いました。
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・真っ直ぐに恋愛できてる山田杏奈さんがもはや新鮮です。
・最終的に言えるのは、「みんな亮平がいてよかったね」ですよね。めっちゃいいやつ。
