作家性やメッセージは特に見当たらず、かといって売れ線のにおいもしない。意外にもレトリックを利用した純エンタメで、楽しみながら最後まで見れる不思議な作品でした。作風や雰囲気はまったく違うんですが、大分類としてはヨーロッパ企画系とか「カメラを止めるな」辺りを鑑賞したときと同じ感覚です。
タイトルを発言するシーン。あちゃーダサめな伏線回収だなーと思っちゃったんですが、その時点で騙されてるという見事な罠。
終始おまぬけすぎる柄本佑さんは笑いを誘うし、珍しく幸が薄くない奈緒さんも観れました。
何よりもずーーっと含みがある風吹ジュンさんが抜群に素晴らしい。「いつもスカートなんて履かないのに」「早く帰ってらっしゃいよ」とかこの辺あきらかに気づいてる。奈緒さん登場以降なんて、よく見ると全部黒目みたいなとんでもない目つきしてるシーンとかあったりします。だからこそ、佑さんと奈緒さんのイチャコラ会話を聞いてるみたいなワンカットは説明しすぎて余計なことだなと思いました。
なんせ、期待以上にリラックスしながら楽しめるいい作品だなーと思いました。友人と飲みながら観るのにぴったり。