保護司という馴染みのない役割を啓蒙しながら「加害者が過去に悲劇的境遇にあった場合、罪に正当性はあるのか?」という意欲的なテーマにまで踏み込み、観る側を悩ませる骨太な作品。
しかし、今作の勘所であろう「保護司は必要なのに無償である。待遇面の課題により人材不足している」という最重要テーマが薄まっている印象。
というか、その勘所を伝えるだけならドラマ版で充分だったんじゃないかという説も。いやいや映画という別メディアであらためて知らせたい、ということならば続篇であることがノイズになっている。64やクライマーズハイのように、同タイトル別キャストで物語の最初から描いてもよかったのかもなあ、とか勝手に思った。
ちょこちょこ無駄な要素(唐突なラブシーン、宇野祥平さんが猫としゃべるシーン、聴取相手の老人医者の耳が遠いetc..)があり緊張感にも欠けていたのがなあ。
題材やメッセージは素晴らしい。超豪華キャストだし、特に森田さん若葉さんは流石すぎる。だけにもったいない。
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・元詐欺師と主人公がベロベロになるシーン。おっさんの方がまるでダンビラムーチョみたいに口でバンドサウンドを奏でる横で阿川が暴言を叫びまくる。こんな酔い方する?と思ってたら一升飲んでたので納得した。そうとう飲みましたね。
・森田剛さんはランチの女王での自然な涙以来、影ある演技の超達者だと思っていましたが今作もやはりでした。もっと出演してほしいなあ。
・どうしても加害者側目線の作品が多くなってしまうのは事実だと思います。きちんと被害者側の作品にも触れることでバランスとるのは大事だと、子どもとかには伝えていきたい。