銃社会でない島国育ちの我々にも現代の銃規制に至るまでの背景にはいくつもの凄惨な事件があることは想像に難くないが、そもそも殺傷を目的とした道具が規制されるべきは普通に考えて当たり前やん？と考えることを放棄してしまいがちであり、そういう層にも教養として実際の事件を知るきっかけとなる良い映画。
実際の事件を元にしているけど実話ベースというわけでもなく、事件当時の乱射の様子を描写することもせず、ただそこに至るまでの過程を、空白を埋めるように淡々と紡いでいく。
この空想の犯人像に意味はないかもしれないが、今もどこかで起こっていそうな社会のはじかれ者が燻らせた不満の花火を退廃的なテンションで演じきった主人公の存在感はハイグレード。
