きたっちょ

スープとイデオロギーのきたっちょのレビュー・感想・評価

スープとイデオロギー(2021年製作の映画)
4.0
(*操作ミスで先日の投稿を消してしまい、再投稿となります。
いいねしてくださっていた皆さま申し訳ありません🙇‍♀️)


ヨンヒ監督、本当に良い親孝行をされたと思います…

同じ民族なのにどうして北と南でこうも隔たりがあるのか…
「かぞくのくに」で描かれていた帰国事業にどうしてたくさんの在日コリアンが参加したのか…
少し理解できました。

簡単に批判などできないと思いました。
こんなに悲しく辛い歴史があったとは…

今各所で起きている歪み合いの虚しさや恐ろしさも再認識できました。

ヨンヒ監督が記憶を失っていくお母様に呟いた言葉
「辛いことは忘れていいのかもしれないね…悪いことした側は忘れたアカンけど」
本当に、もう安心して忘れてほしいです…

終戦時子どもだった私の母は、満州からの引き揚げで大変な思いをしたらしく、今だにうなされることがあります。
私も監督のようにしっかり受け取って、忘れていいよと言ってあげられたらいいのに…と思います。

4.3事件だけでなく、会えない家族の写真に囲まれて暮らすお母様の寂しさや、老いていく親と向き合う娘としての監督の姿に、同年代として身につまされる思いもありますが、お母様と優しいカオルさんとの微笑ましい交流や美味しそうなスープのシーンにとても温かい気持ちになりました。
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