このレビューはネタバレを含みます
自殺幇助を通して、生きる活力・自分にできることを考える。
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序盤の捜索サスペンスから一変し、テーマは安楽死や自殺幇助となる。今作は幇助する山内を薄っぺらく描いているように思う。それに賛成する。彼の行動に信条などは全く見えてこない。なんかそれっぽいことを言ってるが金目当てだろう。死体保管する用途のクーラーボックスにビールいれてる始末だし。あのあと乾杯でもするつもりだったのか。
幇助ビジネスじゃなく他に救いはあると思う。たとえばムクドリさんは死にたがってるというより、生きるのが楽しくなくなっていように見えた。ホテルに文句言う余裕はあったもんね。多目的トイレでの智との笑顔に、希望があったようにも見えた。些細なことでいいのかもしれない。
自分の目に届く範囲では好きな人の些細な希望となれる人になろう、それを諦めないようにしよう、とか少し大袈裟なことを思ったりした。「些細」でいい、全て解決しようとしない。そうしないとドツボにハマる。
あとはモチーフによりちょこちょこ提示されている、智の場合は貧困がベースにあるという構造的問題も忘れてはならない。
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・4人のメインキャストがいわゆる怪演をしていないのがすごい。個人的には森田望智さんが特に。エンドロールで、え?出演してた??ってなる系。
・山内の口癖「有料コンテンツ」「ログアウト」がダサすぎる。薄味サイコキラーとしての特徴を表すあえての脚本であってほしい。