真一さんの映画レビュー・感想・評価

真一

真一

蛇の道(1998年製作の映画)

3.9

 難解な幻想サスペンス作品。誰が真犯人なのか。エンドロールが流れるまでに、その答えが出ているのかどうかも分からない。だけど引き込まれる。「世にも奇妙な物語」のアタリ回のように、どこか異次元な世界に迷い>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

2.5

出だしこそ荘厳な
SF大作風味ですが、
オチは胸くそレベルを
飛び越え、もはやギャグ。
ネタが切れると最後に
地球を爆発させちゃう
「うる星やつら」の
ハズレ回を思い出しました。

1人また1人…の展
>>続きを読む

サーミの血(2016年製作の映画)

5.0

 舞台は1930年代のスウェーデン北部。先住民族の少女が、自分の「恥ずべき出自」を呪っていた。「なぜ私は劣等民族に生まれてしまったの」と。本作品は、出自を隠して「普通のスウェーデン人」になろうともがき>>続きを読む

蜜のあわれ(2016年製作の映画)

2.7

 大正~昭和の作家・室生犀星の幻想小説「蜜のあはれ」を映画化したのが、本作品です。老作家の前に、金魚の化身である怪しい美少女が現れ、お色気ポーズを見せながらまとわりつくー。こうした室生犀星のあられもな>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

5.0

 私たちがどうしても克服できない負の感情=差別。無意識のうちに人を追い詰める差別意識とは一体、何なのか。この根元的な問いに正面から答えを出したのが、本作品です。圧倒的なストーリー展開。見事なエンディン>>続きを読む

グラディエーター(2000年製作の映画)

3.7

 古代ローマ帝国の円形闘技場「コロシアム」。その名を聞くだけで、身の毛もよだつ凄惨な殺戮シーンと、熱狂する観衆の姿が思い浮かびます。本作品は、その残虐な決闘を強いられるグラディエーター(剣闘士)のサバ>>続きを読む

毒戦 BELIEVER(2017年製作の映画)

2.3

もし身バレすれば
凄惨な拷問と処刑が
待ち受けるー。
麻薬組織への潜入を
テーマとした、
典型的な
韓国ノワール作品。

伝説の大ボス
「イ先生」は
誰なのか?
一介の刑事と
麻薬組織の少年が
手を組
>>続きを読む

白石晃士の決して送ってこないで下さい(2023年製作の映画)

1.0

記録用。無視してくださいm(._.)m

 おバカ・ホラーの「コワすぎ!」が面白かったので、久々に白石監督の本作品を観ましたが、失敗でした。作品としての体をなしていません。

 何を見せられたのか、さ
>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

3.7

 日本社会において、ほとんど存在を知られていない無戸籍者。本作品は、その悲惨な実態を浮き彫りにするサスペンス映画です。無戸籍者とは読んで字のごとく、戸籍がなく実在を証明できない人を意味します。戸籍制度>>続きを読む

ドラキュラ/デメテル号最期の航海(2023年製作の映画)

2.4

 ドラキュラは、異民族に対する白人の差別意識と恐怖心が生み出した、空想上の魔物と言われます。本作品は、白人の妄想の産物であるこのドラキュラを、現に白人から差別を受ける黒人の主人公が迎え撃つというストー>>続きを読む

イコライザー(2014年製作の映画)

-

 デンゼル・ワシントンが演じる正義の殺人マシーンの「カッコ良さ」を描いた、いかにもアメリカ人受けしそうな娯楽映画。悪いロシア人を次々と血祭りに上げるデンゼルを見て「もっとやっちゃえ!」という気分に、観>>続きを読む

朽ちる(2024年製作の映画)

4.2

あなたと
あなたの連れ合いは
廃墟の団地で暮らす
孤立無援の
老夫婦だとします。

食糧断絶。
飲み薬枯渇。
近づく最期。

あなたなら、
どうしますか。
自ら命を絶ちますか。
それとも命を全うします
>>続きを読む

うらぼんえ(2023年製作の映画)

2.6

 ご先祖様の御霊が里帰りする夏のお盆。お盆の正式名称は「うらぼんえ(盂蘭盆会)」です。この「うらぼんえ」と題する本作品は、息子を海で亡くした父親が、お盆の時期に訪れた海辺の家で世にも奇妙な体験をすると>>続きを読む

世界は僕らに気づかない(2022年製作の映画)

4.1

無自覚な差別意識と
偏見に覆われた
日本社会の片隅で、
地べたを
這いずりながらも
ひたむきに生きる
マイノリティー母子の
物語です。

フィリピンパブ勤めの
貧しい母親リサ。
民族差別に加え、
ゲイ
>>続きを読む

夢追いウサギ(2020年製作の映画)

2.6

他人👤とかかわりを
持たずに生きたい。
でも思い通りに
いかない🌀ー。

そんな人間社会🏙️の
実情を、ウサギ🐰を
主人公とした
アニメーションで
シンプルに表現したのが
このショート動画📽️です。
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

 「ここが凄いぞ日本人」系の映画。敗戦直後の焼け野原の東京に大怪獣ゴジラが出現したとしても、きっと映画のように気骨あるサムライが馳せ参じ、この国のために奉公したはず。やっぱり日本人は不滅だー。こうした>>続きを読む

シティーハンター(2024年製作の映画)

3.0

往年の人気アクション漫画
「シティーハンター」🏙️
の実写版📽️です。
見所は何といっても
あの主人公・冴羽獠👥を
演じる鈴木亮平さんの
「そっくり度」。
原作漫画を
読んだことがある方なら

「えー
>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.6

警察、ヤクザの
行動原理と
日本社会の闇を
深掘りした大傑作。

名作「孤狼の血1」を
上回るかもしれません。

表のテーマは
警察腐敗。
裏のテーマは
在日コリアン差別。
空前絶後の
凶悪ヤクザを演
>>続きを読む

孤狼の血(2018年製作の映画)

4.5

ヤクザ映画の
最高傑作です。

広島を舞台にした
激しい抗争と、
ヤクザと警察の癒着。
不良刑事・大上
(役所広司)の強烈な個性。

そして広島大卒の
新米警官・日岡
(松坂桃李)の苦悩と成長。

>>続きを読む

インビジブル(2000年製作の映画)

2.5

筋肉、内臓、肋骨、血管ー。
皮膚が透明化し、
グロテスクな内部組織が
丸見えになる「変身シーン」が
唯一最大の見所です。
よく考えついたと思う。
あっぱれです。

ただ、透明人間になった
セバスチャン
>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

2.6

綾野剛さんの
プロモーション風映画。
綾野剛ファンなら
悶絶間違いなしです。
カッコよくて
可愛くてセクシー。
しかも実力派。
私も大好きな
役者さんの1人です。

ただ原作未見の
私からみると、
>>続きを読む

スペシャル・デー(2018年製作の映画)

2.5

ひねったオチが見所👁️の
ホラーショート作品📽️です。

舞台は米国🇺🇸の田舎にたたずむ古びた屋敷🏚️。18歳の誕生日を迎えたエミリー👩は、摩訶不思議な「ギフト」👻を家族全員👨‍👩‍👧‍👦から贈られま
>>続きを読む

遠いところ(2022年製作の映画)

4.4

 日本社会のセーフティーネットに引っ掛かることもなく、泥沼を這うように夜の街を生きる沖縄少女のリアル。この作品を観ると「努力をすれば報われる」という言葉が、虚しく聞こえます。セーフティーネットの上空で>>続きを読む

HIDARI(2023年製作の映画)

4.0

無惨に切り刻まれ、
絶命したはずのあいつ👤が
帰ってきた!

しかも、たった一人で
敵の魔窟☠️に殴り込み!

「まさか…」狼狽する敵👿!
怒りの拳🤜と剣⚔️が大爆発!
亡き友に捧げる敵👿の血潮!
>>続きを読む

ダウンサイド・アップ(2016年製作の映画)

3.5

 マイノリティー🧍‍♀️が感じている息苦しさを、マジョリティー🧏‍♀️に無理なく、分かりやすく、穏やかに教えてくれるショート映画📽️。ベルギー産🇧🇪です。

 舞台は、空想の世界🏰。ある日、赤ちゃん👶
>>続きを読む

チャイルド・プレイ(1988年製作の映画)

2.5

言わずと知れた
「チャッキー」😈シリーズの
第一作です。

屈強の男たち👥が
プラスチック製の
おもちゃの人形🚼️に、
みーんな虚を付かれて
殺されてしまう🩸
というお馬鹿な
ストーリーです。

登場
>>続きを読む

ライト/オフ(2016年製作の映画)

3.1

明かりを消すと…出る!

過去現在未来へと時が流れても
永遠に変わらない
恐怖☠️の深淵ー「暗闇」。

そうした暗闇に焦点を
当てたホラー作品が、
この「ライトオフ」です。

スタンダードな内容ながら
>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.9

 私たちがいかに人権に疎く、日頃から他者の心を無造作に踏みつけているかを、まざまざと見せつけられる一本です。「普通の人」(マジョリティー)の想像も及ばない性的志向を持つ夏月を、新垣結衣が熱演。「普通の>>続きを読む

危険なプロット(2012年製作の映画)

3.3

 究極の小説📖を書くためには、何をすべきか。究極の文学📚️とは、何ぞやー。この問いに対し「人生の糧」といった甘美な答えを期待する人は、本作品によって心を折られるかもしれません。胸くそな結論が待ち構えて>>続きを読む

菊とギロチン(2016年製作の映画)

4.3

官憲は上官に媚び、庶民を蹴散らす。

男たちは官憲に媚び、嫁を殴り犯す。

日本人は「菊」の旗の下、朝鮮人を斬り殺す。

 本作品は、軍国主義日本の偽りの仮面を剥ぎ取り、その「強きに媚び、弱きを弄ぶ」
>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.5

 ダリやキリコの不思議な絵画が思い浮かびました。遠近が不自然な神殿。溶けた飴のように歪んだ時計。本作品は、ヒッチハイク犯罪を題材にしたホラータッチのアクション映画ですが、主人公の青年も、ヒッチハイカー>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.0

 警察🚔️の緊急通報センター🚨。事件解決の手がかりは、電話口📞の向こうから聞こえる「音」だけ。観る人の想像力を掻き立てられる新感覚のポリス映画📽️です。

 舞台は北欧デンマーク🇩🇰。首都コペンハーゲ
>>続きを読む

ファミリー・ディナー(2022年製作の映画)

3.0

 肉🥩を食べても、自然の恵みへの感謝と愛を忘れなければ、何の問題もないー。こうした「肉食」を巡る現代人の価値観を、思いもかけない形で揺さぶり不快にするのが、この異色のサイコホラー作品「ファミリー・ディ>>続きを読む

TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.5

カンガルー🦘とコアラ🐨の国
オーストラリア🇦🇺から
やって来たホラー映画☠️。

一言でいえば
「こっくりさん」作品👻です。
用量・用法を守らなかった
主人公たち👥が、世にも
恐ろしい目に遇うー。
>>続きを読む

コンフィデンシャル/共助(2017年製作の映画)

2.0

 人気俳優ヒョンビンの、プロモーションビデオ風エンタメ映画。見どころは、ヒョンビンのアクションシーンだけ。ヒョンビン演じる北朝鮮の敏腕刑事と、韓国の熱血刑事(ユ・ヘジン)が、体制の違いを乗り越えて協力>>続きを読む

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.6

 「自分は所詮、この世界のモブキャラに過ぎない」ー。こんな思いに駆られて落ち込んでいませんか?もしそうであれば、本作品をお勧めします。オンラインゲームのモブキャラが自我に目覚めて大活躍する本作品は、人>>続きを読む

>|