ヤクザ映画の
最高傑作です。
広島を舞台にした
激しい抗争と、
ヤクザと警察の癒着。
不良刑事・大上
(役所広司)の強烈な個性。
そして広島大卒の
新米警官・日岡
(松坂桃李)の苦悩と成長。
劇画調のド派手な展開と
実力派俳優の見事な演技が、
この映画を一級の
エンターテイメント作品
足らしめていると
感じました。３周目。
※以下、ネタバレ含みます。
考えさせられるのが
広島県警・大上の
ヤクザに対する
拷問シーンです。
組織的な殺人事件を
隠蔽する暴力団組員を
相手に、凄惨な拷問を
加えて口を割らせる
大上。
大上の所業に、観る人は
目を背けずに
いられないでしょう。
しかし拷問は効果抜群で
闇に葬られた真実が
次々と明るみに出る。
その結果、
離島の森林に埋められた
被害者の遺体は
見つかります。
こんな違法捜査が
あっていいわけがない
と思いつつ
「相手がヤクザならこれぐらいやらんと
ダメだ」
という大上の
激ヤバ論理にも
思わず頷きたくなる。
この映画、観る人の
人権感覚が試されます。
拷問を「必要悪」と
感じる人が多いからこそ
戦前日本は
治安維持法に基づく
「生爪剥がし」、
今世紀の米国は
捕虜への「水責め」を
やったんだろうなと
改めて思います。
ストーリーは、大上の監視を
秘密任務とする巡査の日岡が、
その大上に感化されていく
過程を柱に、ドラマチックに
展開します。
カタルシスを得られる
エンディングも、
ド派手で見事！
ある程度の
グロ耐性がある方には
お薦めの一本です。
