花俟良王さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

花俟良王

花俟良王

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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.5

サントラは鬼カッコいいけど、映画自体は随所に光るものがあるにも関わらずあまりのれなかった。それは宣伝から勝手にハードバイオレンスを想像した私が悪いのだと思う。

非常宣言(2020年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

途中まで面白かったんだけどな…。

韓国娯楽映画はエンタメと泣かせのバランスが上手く独特の面白さを醸し出すけど、『奈落のマイホーム』でも顕著だったけど「犠牲愛」によるお涙頂戴は正直ウンザリ。スカッと終
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

4.0

DJ、Mr.オワゾとしての活躍の方が知名度があるかもな才人カンタン・デュピューの「怪作」…、と思いきや初期設定を除けば意外なほど納得できるブラックコメディだった。

衰えたくない男女の末路を10分以上
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長崎の郵便配達(2021年製作の映画)

4.0

長崎で被爆した郵便配達員と元空軍大佐の英国人作家との絆。

そして当時の写真や録音で父の活動を知る娘。

そしてそこにあえて孫たちを同席させる母としての顔。

「伝える」ことの大切さ、尊さを嫌味なく観
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アザー・ミュージック(2019年製作の映画)

4.0

とてもよかった。

地域のサロンでオタクの学校だったレコードショップの最後の姿。続けろ、変わるな、なんて無責任なことは言えないが、愛に溢れる場所がなくなるの寂しい。

世界中に存在する(した)愛すべ
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サポート・ザ・ガールズ(2018年製作の映画)

4.0

人のよいスポーツバーの雇われ店長と、彼女を慕うスタッフたちの人間模様。

前情報だけだと軽いコメディと思ってたけど、時代性をはらんだ真摯で良質な人間ドラマとしてとても見応えありました。

ブライアン・ウィルソン/約束の旅路(2021年製作の映画)

4.0

ここまで素晴らしい人物ドキュメントとは思わなかった。

未だに精神疾患と緊張に悩ませれるブライアンを思ってのドライブインタビューだったのか。子供のような素の天才を改めて知り、泣いた。

ビーチボーイズ
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ザ・ミソジニー(2022年製作の映画)

4.5

なんとか理解しようと食らいつくも、ことごとくかわされていく動揺という名の快感。

物語が好きなように蠢いていることに対して目が離せない。

主要3人の演技は素晴らしいが、どれもまともに交わらない。
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

4.0

山田裕貴も松本まりかも、疲弊した名もなき人間を好演して新しい魅力。
城定監督と佐藤泰志文学の相性はどうなんだと思ったけど、さすがの手腕でうまく纏めてくれた。盛り過ぎず迎えるラストもいい。

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

4.0

お気楽コメディからのシリアスサバイバルへの転調が上手く作用しているかは疑問だけど、結局そのパワーに圧倒され最後まで釘付けだった。ウェッティなのもまた韓国映画の良さ。

辻占恋慕(2020年製作の映画)

4.0

とても良かったです。大野大輔監督の前作『ウルフなシッシー』も面白かったけど、毒のある会話はそのままに切なさと爆発力(いや驚いたw)が増し増しで笑って泣けました。役者としての佇まいも独特でいいなあ。そし>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.5

血の雨とラストカットが良かった。

色々と隠喩がありそうで、そっちに気を取られた。結局チンパンジーのくだりはなんだったんだろう、とか。

そもそも活劇の演出がもたついてそんなことを考えてしまうのかなと
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オカルトの森へようこそ THE MOVIE(2022年製作の映画)

3.5

久しぶりに白石POVワールド全開といった趣で、ドラマ6話分を一気に楽しんだ。江野くんや、ネオ風の最強男などが登場してファンは嬉しい。そして江野くんがメチャクチャ強くなってる(笑)。

初仕事(2020年製作の映画)

4.5

とても良かった。

赤ちゃんの遺体撮影という下手をすれば軽蔑モノの物語だが、倫理があるゆえの二人の主人公の理屈と葛藤が切実なドラマを形成していた。

前半くそムカつく父親のボゾボソ喋りは、監督自ら演じ
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Zolaゾラ(2021年製作の映画)

4.0

あるポールダンサーの連投tweetの映画化。

不思議な感覚。

うまい話がやばい方に行き、それはそれで興味深く見れるんだけど、映画自体が物語を信用しておらず、SNSの曖昧模糊で危険な空気そのものが映
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彼女たちの革命前夜(2019年製作の映画)

4.0

自分でも意外だったけど最後泣いてしまった。

ミスコンを阻止する側がメインだけど、出場する側の理由や夢もある。そこを冷静に(女子トイレで!)対峙させたのが偉いし、旧世代の女性への目配せも忘れてない。
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激怒(2022年製作の映画)

4.0

面白かった!
全編を覆う渡邊琢磨&中原昌也のダークでノイジーな音楽が最高で高橋ヨシキ監督の怒りに満ちたディストピアな世界観が身近に迫ってくる。

さらにどんな作品にも協力を惜しまない川瀬陽太兄貴のため
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復讐は私にまかせて(2021年製作の映画)

4.0

特に期待せず「夫の復讐を奥さんがしに行く」映画でしょ?と観始めた。

結果それは合っていたけど、原因と過程は想像の上の上の上を行き、体験したことのないリズムを孕んでいた。

あのラストを叩きつけられた
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ナナメのろうか(2022年製作の映画)

4.0

44分を興味深く観た。

取り壊される祖母の家、違う環境の姉妹を通して描かれる、家の記憶、家族の記憶、どうしょうもない絆。

さらに後半のダークな飛躍により、脈々と紡がれる一族の系譜まで俯瞰する(と私
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映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)

4.5

なんて志の高いドキュメンタリー。

ジェットコースター級の展開の中、貴重な手紙や映像を自ら発掘し、超絶重要人物が映画史の闇に葬られるのを阻止してくれた。

「彼女の業績をよく理解した上で次の世代に引き
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ミーティング・ザ・ビートルズ・イン・インド(2020年製作の映画)

3.5

写真とイラストだけで曲は流れないんだけど、4人のリラックスした姿やホワイトアルバム期の楽曲の誕生に立ち会えるのは嬉しい。

監督が青年時代に偶然過ごした夢のような一週間。ファン向けの内容だし、かなり思
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

アイスランドの自然、ノオミ・ラパスの演技、そっちか!のラストなどなどが相まって、コメディにもなりうる内容が切なく崇高な民話のような見応えになってます。

それでも本作がアカデミー賞アイスランド代表とは
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L.A.コールドケース(2018年製作の映画)

3.5

実際のヒップホップ2大スターの殺人事件と警官同士の殺人事件。

3つの事件の交錯に加えて、芸名・本名・通称が飛び交うので予習は必要かも。

敷居は高いけど『潜入者』などのファーマン監督の実直な語りや、
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偽りのないhappy end(2020年製作の映画)

3.5

見応えありました。

全てが一方通行のコミュニケーションに対し、複数のキャラが光と影、表と裏を担い、ヤキモキしながらも全員に同情してしまう。

人の心にある温かさと冷酷さ、それぞれの正義が雄大な琵琶湖
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冬薔薇(2022年製作の映画)

4.5

毎度のことながら阪本監督の筆さばきに唸る。

全ての登場人物は業を背負い、安易な着地を許さない結末も含めてまるで文学作品のような味わい。演者も作品世界を生きている。

インタビューを読んだら、起承転結
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

4.0

見応えありました。

女性兵士、銃後ではなく現地でのPTSD、交錯を拒みながらも転がる人間模様、新人と思えぬ主演二人の熱演、多用される緑色、侵攻に耐えたレニングラードのこだわりの再現……。

90年代
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X エックス(2022年製作の映画)

4.0

面白かったなー。タイ・ウェストでは一番好きかも。

『悪魔のいけにえ』と『悪魔の沼』ダブルでのフーパーオマージュが憎い。

二役のミア・ゴスも良かったけど、新世代スクリームクイーン、ジェナ・オルテガの
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ザ・ディープ・ハウス(2021年製作の映画)

4.0

アメリカでの憂き目を発散するかのようなモーリー&バスティロの快作だ。

「水中」の「恐怖屋敷」というハイブリット。何かがいるのだろうがどう怖がらせるのか興味津々…で、そうきたか(笑)!

巨大水槽にセ
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セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

映画の中で残酷なことはいくらでもやっていいと思ってるけど、子供ネタで短絡的・直接的に嫌悪感を抱かせようとするのはやはり稚拙で下品。

わざわざ4K化したのは需要があるんでしょうが、囃し立てる側には回り
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炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

4.0

映画史には残らないけど面白い作品を撮り続ける男、ジョー・カーナハンの『炎のデス・ポリス』。やはりしっかりきっちり面白かった。

ラロ・シフリンやカーティス・メイフィールドの調べも相まって、カーペンター
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プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)

3.5

メロメロな恋愛と友情と余命とNYが醸し出す90年代トレンディドラマ感におっさんは一瞬ひるんだけど、元カノ陣はじめ演者の魅力とスタイリッシュな編集、一筋縄ではいかない展開に「え?なに?どういうこと?やだ>>続きを読む

夜明けの夫婦(2021年製作の映画)

4.0

面白かったです。

R18+の子作りを巡るドラマ。キャッチフレーズの「社会派深刻喜劇」には納得だけど、風呂敷を拡げすぎてないのもいい。腰を据えた場面で台詞を味わい、徐々に絡み合う人間模様を楽しんだ。
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.0

グロいのは結構だが、なんだろう、なんか入り込めなかった。

ホラー作ってます!これ怖いでしょう!という理屈先行の描写を延々見せられて飽きてしまった。