黒猫とぼとぼ後ろ向きの電車に乗る。 みんな逆さまになればいいのに。 逆さまになって白猫になって、少女の部屋の飾り物になる。 飾り物になって窓の外の世界を知らなくてタマシイとかキボウとかエイエンと>>続きを読む
少年と老犬と老人だなんて、最強の組み合わせ。ネロ、パトラッシュ、の名前で涙腺がゆるんでしまう。
私の記憶と違っていて、実はアニメ版は初めてなのかも。小説では、たしか、風が吹いて幕が煽られ、雲間から月光>>続きを読む
アニメでなく実写のピッピ。吹替えのみだけれど、岸田今日子さんの声が絶妙だった。
ピッピが憑依していた子ども時代、世界は無限大だった。
ピッピは子どもが持っていないものを全部持っている。お金、腕力、大人>>続きを読む
レビューが難しい。前半のアピチャッポンを思わせるラオスの死生観を表した映像は美しく、修行僧の少年と地元の少年が見た、ジャングルの奥地の滝で魂がふと抜けかかるような幻想的な光景が素晴らしく、息を飲んだ。>>続きを読む
人類のしてきたことにマイナス☆100をつけたい。セルゲイ・ロズニツァ監督が編集した第二次大戦のドイツ対連合軍が互いに都市を空爆するドキュメンタリー。ナレーション無しに淡々と映し出される兵器製造から都市>>続きを読む
斬新だった。幼なじみの娘を橋の欄干から突き落とした女性と幼なじみとその夫との間に何が起きていたのかを、登場人物三人のシナリオの読み合わせの反復だけで浮き上がらせる。
反復される場面を順番を変えること>>続きを読む
おもしろかった~最高! 現実と妄想が交差・混濁するのがとても好み。インフルエンザの高熱で悪い夢をずっと見ているかのような理不尽な出来事が、突発的に起こる不条理。あのチュルパンちゃんが突如変身するアクシ>>続きを読む
長いこと行方不明になっていた父が記憶喪失と失語になって帰ってきた。手放しで父の帰りを喜べない理由があり、戸惑う家族たち。父はひたすら村のゴミを片付ける。キルギスの家族の再生がテーマです。
設定がおも>>続きを読む
ロッセリーニのコメディだなんて珍しい、と勘違いして申し訳ない💦身も心も人生もすべて神に捧げた聖フランチェスコのエピソード集でした。
教会から離れ、貧しい人々、困難な中にいる人々に直接布教や施しをして>>続きを読む
光を捕まえようと光と遊ぶ子どもたちが素敵です。この子たちすごい!世界が光に溢れていることに気付き、映画を自分たちで上映しようと遊びながら光の原理、映画の基本を学んでいきます。
サイレントに音をつけるシ>>続きを読む
これまた憂鬱な余韻でした。アンゲラ・シャーネレク特集3作目。出来事が描かれず、観る者がそれを補足し、断片からストーリーを自分で紡いでいく。観客に委ねられているので、観る者の心理状態が反映されそう。さな>>続きを読む
アンゲラ・シャーネレクの映像の<神経衰弱>。シャッフルされる時系列を繋ぎ合わすのに頭を使った。ベルリンからマルセイユへ来た写真家のゾフィーがカメラを通して何を見ようとしていたのかが気になり、突然変わる>>続きを読む
プログラミング言語でしか話さない人に囲まれて働いていたことがあるので、もう、最初から金子さんに釘付けでした。東出昌大さんが適役すぎです。この問題が噴出する少し前に、インターネットの規制を当局がするな、>>続きを読む
「グッド・ウィル・ハンティング」と「小説家を見つけたら」とドラマ「クイーンズ・ギャンビット」を合わせたようでいて、韓国らしく、南北問題、行き過ぎた受験競争も含まれ、ベタではありますが、若い芽が光を求め>>続きを読む
初めてのアンゲラ・シャーネレク。不思議な作風だった。言葉少ないストーリーの合間に、学校で生徒たちが演じる「ハムレット」が差し込まれている。教室から抜け出したハムレットは街に現れる。その意味もよくわから>>続きを読む
頑固なおじいちゃんと女の子が幻の蝶イザベルを探しに山に行くロードムービー。この組み合わせにハズレ無し。少女はたしかに生意気なんだけど、自分で考えようとするし、おじいちゃんは「いまいましい」と邪険にしな>>続きを読む
川島雄三監督の描く風俗は、人々が生き生きしている。<今>を生きているから。でも、それは刹那にしか生きられない居場所のない<風>のようなもの。軽々と奔放に生きているようにみえる芸者小えんの横顔はなんとな>>続きを読む
アン・リー監督のテーマの幅が広くて驚く。「ライフ・オブ・パイ」「ブローク・バックマウンテン」とも全然違うホームドラマ。
目と耳からご馳走を愛でる。あんまり美味しそうなので、一旦停止。このままではお夜>>続きを読む
橋を渡れば赤線、洲崎パラダイス。橋の手前の飲み屋「千草」を舞台に、なんとか橋を渡らずにこちらの世界に留まろうとする女と男の群像劇。誘惑に負けながらふらふら。堅気に生きるのは楽じゃない。何度も振り戻され>>続きを読む
ネオレアリズモにもほどがある。これはホラーです。ロッセリーニとバーグマンがスキャンダルの末、結婚するきっかけになった作品。貧しく閉鎖的な活火山のストロンボリ島の粗野な漁師に嫁いだばかりに、バーグマンの>>続きを読む
美しい映像に惹かれて観るようになったアンゲロプロス作品ですが、これは現代のギリシャ悲劇を描いた大作であり、いちばん難解でした。ギリシャの近現代史をおさらいしてから、小国ギリシャの辿った悲劇を心構えをも>>続きを読む
初アモス・ギタイ監督。ドキュメンタリー出身だけあって、思っていた以上にリアルなイスラエルの姿でした。ジュリエット・ビノシュがガザに生き別れの娘を探しにいく話で、紛争はまったく見せないのに、ガザの緊張感>>続きを読む
邦題つけた担当者出てこい、です笑。日本に最初に紹介されたベルイマンのネオレアリズモ作品で、重さを覚悟していましたが、希望ある純愛物語でした。余韻のいいベルイマン作品は久しぶりです。
「不良少女モニカ>>続きを読む
定期的に観たくなるゴダール。ゴダールとアンナ・カリーナの別離を映画化したのだと思われますが、タイトルを「男と女」にした方がいい。普遍的なすれ違いと別離にみえます。おもしろくて、書きたいことがたくさん湧>>続きを読む
ジャン・ギャバンとアラン・ドロンのおしゃれなクライム。オープニングからカッコいい。あの有名な曲がこの作品の劇伴だったのね。
画がいちいち決まっている。しかも最後までハラハラさせる展開のうまさ。名作と>>続きを読む
児童文学者エーリッヒ・ケストナーの同名原作を現代の設定でギムナジウムの生徒たちの学園生活を描いています。これは気持ちいい音楽もののジュブナイルでした。
寄宿舎の生徒たちは少年合唱団で有名な本校の合唱>>続きを読む
文化的で前衛的な昔(1946年)のサンジェルマンと商業化・都市化の進んだ当時(1966年)を比べている作品。どちらも昔なので、私には、新旧対決の勝敗はわからず、どちらからも十分フランスの文化と香りを感>>続きを読む
尊敬するイ・チャンドン監督が自ら作品の背景を語ります。遅咲きの監督で6本と数少なくはありますが、小説家だった視点で撮られた作品は心理描写、社会背景の描き方が卓越していて、人間愛を感じ、魂が震えます。ど>>続きを読む
大ファンのイ・チャンドン監督の作品で機会のなかったデビュー作を観ることができて、これでイ・チャンドン監督コンプしました。どれも心のひだをざわざわさせられ、胸の奥を締め付けられる傑作ばかりです。
スト>>続きを読む
ジョージアの伝統舞踊を初めて観た。力強く、大地を踏み鳴らし、身体を大きく見せ、衣裳を翻す。キレッキレの動き、上下、回転。とにかく激しい。打楽器のリズムが、ずいぶん離れているが、ポリネシアのリズムに似て>>続きを読む
1600本目のレビューに因んで160分のこの作品を選んだのは大正解でした。ほんわか余韻に包まれました。鑑賞中も、自然と口角が上がっていて、目尻は下がり、ぬるめのお風呂で長湯したみたいに心の芯までぽっか>>続きを読む
アピチャッポンと「もののけ姫」「追憶の森」を思い出す、森の精気を感じる作品。小栗康平オリジナル脚本。そのどの作品よりも先に制作されている。
言葉にするのが難しいが、男が昏睡しているこの村の森に誘われ>>続きを読む
宇宙からやってきた記憶のない鉄人と父を失った少年が心交わす友情アニメ。ET、スーパーマン、キングコング、鉄人系と既視感ある題材が集まっていて子供向けに安心して観られる作品だけれど、銃を捨て、非戦の非武>>続きを読む
フィル友みんとさんの素敵なレビューに惹かれて鑑賞。静かに沁み入る作品でした。余韻が覚めやらぬままにレビュー書いています。ピンと張った冬山の空気、雪解けの小川のせせらぎ、人を寄せ付けない険しい頂、容赦な>>続きを読む
題材は重いのに、少女を凛々しく軽やかに描いた秀作。病で脚を失った義足の少女がモデルとしてランウェイを歩くまでの道のりをフラットに描いています。海外の実在の義足のモデルにインスパイアされた作品。
途中>>続きを読む
内田裕也、也哉子の親子出演に惹かれて鑑賞。二人のシーンは一場面だけで、佐渡島を舞台に行方不明の夫を子供たちと待ち続ける役の也哉子さんと、裕也氏は娘と父役でした。
曇天と吠えるような荒海の海鳴り、閉塞>>続きを読む