ウシュアイアさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

万引き家族(2018年製作の映画)

3.7

貧しい家族が生活のために常習的に万引きなどの犯罪に手を染める話で、普通に考えたら窃盗という犯罪行為を肯定的に描くことは許されないので、おそらくそうした生活が破綻して終焉を迎える話、ということはあらすじ>>続きを読む

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.3

『世界の中心で愛を叫ぶ』、『パレード』の行定勲監督の男性同士のラブストーリー。

受け身体質で自分を好きになってくれる人と付き合うという恋愛スタイルの大伴は、ヘテロという自認でありながらも、脅迫から始
>>続きを読む

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

4.0

異世界に迷い込んでしまった千尋はブタに変えられてしまった両親を元に戻し元の世界へ戻るための冒険譚。

主人公の少女が異世界を冒険する話は、『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』など古今東西普遍的な
>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.5

2015年に実際に起きたイスラム過激派による高速鉄道列車内の銃乱射テロ事件を取り上げた作品。

実際の主人公は演技経験などほとんどない事件に立ち向かった若者3人をあてたので、壮大な再現ドラマというべき
>>続きを読む

オリエント急行殺人事件(2017年製作の映画)

3.8

アガサ・クリスティーの世界的傑作ミステリで何度も映像化されている作品にも関わらず一度も観たことなく、オチを知らなかったので、楽しく観ることができた。

ストーリーの構成は「金田一少年の事件簿」の事件簿
>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

天文学者のランドール・ミンディ博士と博士課程のケイトがほぼ確実に地球に衝突する彗星を見つけて大騒ぎになる話。


予告編を見た感じではコメディかと思ったが、実際は結構シリアスなSF仕立ての社会風刺作品
>>続きを読む

何者(2016年製作の映画)

3.4

原作小説既読の状態で動画配信サービスで鑑賞。

一言で言うと、SNS時代の「意識高い系」就活生の薄っぺらさを抉り出した作品。

(以下ネタバレあり)




主人公の大学生の拓人は、演劇をやっているが
>>続きを読む

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)

4.0

28歳でポリオにより首から下が麻痺になってしまい、人工呼吸器なしでは生活できなくなってしまった男性の実話ベースのヒューマンドラマ。

主人公のモデルとなったのは、本作のプロデューサーの父親で、1960
>>続きを読む

トワイライト〜初恋〜(2008年製作の映画)

3.7

雨雲と霧に包まれた町に引っ越してきたイケてない女子高生のベラは
妖しい魅力をもつエドワードに惹かれてしまう・・・
そしてベラはエドワードには不思議な能力があることに気付く。
エドワードの正体はは実はヴ
>>続きを読む

ヴォイス・オブ・ラブ(2020年製作の映画)

3.4

言わずと知れた世界的歌姫セリーヌ・ディオンの伝記映画。

※どういう事情かわからない大人の事情で、セリーヌ・ディオンではなくアリーヌ・デューとしている。使われている楽曲(と歌声も?)はセリーヌ・ディオ
>>続きを読む

シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

3.5

冷戦時代に軍の秘密研究機関ではたらく孤独な女性の清掃員と研究機関で捕らえられていた異形の知的生命体とのSFラブストーリー。


孤独な女性と研究機関に捕らえられたモンスターの共感の部分と自宅へ連れかえ
>>続きを読む

最強のふたり(2011年製作の映画)

4.5

半身不随の富豪フィリップと介護人となったスラム出身の黒人青年ドリスとの交流をコメディタッチで描いた作品。

実話ベースの障がい者の話だが、日本人が作ると同調圧力ベースの感動ポルノになりがちだ。アメリカ
>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.8

急逝してしまった妻との関係を見つめ直す男の物語。

結婚生活というか人間関係を維持していくために問題を棚上げにすることはある。棚上げにしたつもりでも、時間が経つにつれて問題の重みが増し、破綻に向かって
>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

3.6

陸海空軍と第三者視点から描いたダンケルクの戦い。

友軍をできる限り助けながらの苛烈を極めた第二次世界大戦の英国軍の撤退戦。
史実を客観的に淡々と並べたような仕上がりだが、かえって緊迫感を醸し出してい
>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.4

見た後の後味があまり良くない。
福山雅治は最近同じような役が多いような気がする。
役所広司、吉田鋼太郎、広瀬すずといった脇を固める役者さんの演技が素晴らしい。
(2017/10/7)

ナミヤ雑貨店の奇蹟(2017年製作の映画)

3.6

長めのタイムラインでも、無理なく伏線が回収されて破綻しない展開は良かったが、若干詰め込み過ぎのように感じた。
(2017/10/30)

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

4.3

アニメ化された『呪術廻戦』本編の前日譚にあたる、連載前の短編『呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校』を過不足なく映画にまとめたもの。

不慮の事故で亡くなった幼なじみの女の子の霊が強力な呪霊となって
>>続きを読む

パーフェクト・ケア(2020年製作の映画)

3.8

医者や介護施設と結託して、判断力の衰えた高齢者から資産をむしり取る悪徳法定後見人ビジネスに手を染めるマーラは、身寄りのない資産家のジェニファーをターゲットにするが、ジェニファーをめぐり次々と不穏な出来>>続きを読む

僕のワンダフル・ライフ(2017年製作の映画)

3.8

飼い主の少年イーサンと固い絆で結ばれたゴールデン・レトリバーの子犬ベイリーが年老い死ぬものの、転生を繰り返し、様々な飼い主を経て、再びイーサンと再会を果たすというお話。

イーサンの転落人生が何とも可
>>続きを読む

カラミティ(2020年製作の映画)

3.9

西部開拓時代に実在した女性ガンスプリンガー、カラミティ・ジェーンの少女時代の伝記のアニメ作品。

西部開拓時代、ノマド生活を送る旅団で生まれ育った少女マーサは、父親の負傷をきっかけに父に代わって馬車の
>>続きを読む

The Hand of God(2021年製作の映画)

3.2

パオロ・ソレンティーノ監督の自伝的青春ヒューマンドラマ。
Netflix映画でミニシアターでの先行上映。

1980年代のナポリに暮らす少年ファビエットはサッカーをこよなく愛し、ディエゴ・マラドーナの
>>続きを読む

ほんとうのピノッキオ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

邦題に「ほんとうの」とついているが、我々が知っているのはディズニーのアニメの『ピノキオ』はバッタもんということなのだろうか?

ファミリー向けのディズニーアニメとは違い、こちらは大人向けのダークファン
>>続きを読む

リスペクト(2021年製作の映画)

3.8

ソウルの女王アレサ・フランクリンの伝記映画。

アレサ・フランクリンという一人の歌手の伝記という体をとりながら、ソウルミュージックとはどのようにして作られてきたか、まさにソウルミュージックの歴史を伝え
>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

社会不安障害で治療を受けている高校生のエヴァン・ハンセンは、セラピーの一環として自分自身への励ます手紙を書いていたが、学校の中で孤立しているコナーに持ち去れてしまう。数日後、コナーが自殺し、家族は遺品>>続きを読む

翠星のガルガンティア めぐる航路、遥か 後編(2015年製作の映画)

2.8

遥かかなたの宇宙で戦いの日々を送っていた少年兵レドが地球に不時着し、味方と合流することもできず、戦う意義を喪失し、地球で暮らしていくことを決意して終わったTVシリーズ版の後日談と回想。

たとえて言う
>>続きを読む

アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.2

金ローで視聴。
続編は蛇足だろうと思っていたので、スルーしていた。

強力な魔法の力をもってしまったがゆえに唯一の肉親である最愛の妹すらも遠ざけてしまった孤独な女王エルサの救済の物語だった前作に続き、
>>続きを読む

思い出のマーニー(2014年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

いつぞやの金ローで鑑賞。

子育ては自分がどう育てられたかによるところが大きいし、自分が親になってわかる自分の親の気持ちが分かったりするものだが、子育ての大変さから余裕がない時には子どもに複雑な想いを
>>続きを読む

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

現在よりも生活の中にAIやロボットが浸透した近未来で、AI開発の研究者を母に持ち郊外の高校に通うサトミのクラスにAIを搭載されたヒューマノイドロボット・シオンが送り込まれる。

サトミの前に現れたシオ
>>続きを読む

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -(2019年製作の映画)

3.0

大多数のフォロワーさんの感想、レビューの方向性とは違いますが、一つの見方、感想としてお読みいただければと。ただし、ネガティブな評価なので、読みたくない方はご遠慮下さい。反論も受け付けます。


作画は
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.0

ハリウッドのスペクタクルSF大作。

本当は4DXで観たいところだったが、こういう作品は映画館で観てこそというもの。制作費や映像技術が日本の映画とは桁違いということもあり、映像にはただただ感嘆するばか
>>続きを読む

Our Friend/アワー・フレンド(2019年製作の映画)

3.5

癌に冒された元舞台女優の妻ニコルとジャーナリストの夫マットの夫婦を献身的に支えた夫婦の友人デイン(男性)の話。

ニコルが子どもたちに自分の命がそう長くないことを子どもたちに話そうとするところから始ま
>>続きを読む

楽園(2019年製作の映画)

2.8

母親に振り回されて日本にやってきた外国生まれの青年、幼少期に親友が失踪し心に傷を抱える若い女、妻に先立たれ限界集落で養蜂を営む男を中心に閉塞感に満ちた田舎の人間関係を描いた物語。

原作者・吉田修一の
>>続きを読む

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.5

ヨーロッパの架空の国にある格式あるホテルの初老のカリスマコンシェルジュと若いベルボーイの二人でホテルで起きた殺人事件の謎をホテルの威信をかけて追いかける。

ウィットに富んだウェス・アンダーソンワール
>>続きを読む

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

4.4

ディック&マック・マクドナルド 兄弟が経営する効率的で高品質(均質)な商品とサービスを提供するハンバーガー店を買収し、フランチャイズ展開によって拡大した会社組織としてのマクドナルドの創業者レイ・クロッ>>続きを読む

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

母親の事故死を機にふさぎこんでしまい、音楽が好きではあるものの歌うことができなくなってしまった高知の田舎に住む女子高生・すずは、インターネット仮想空間”U”では歌姫「Belle」となり、本来の自分を取>>続きを読む