「夜の大捜査線」でオスカーを、「屋根の上のヴァイオリン弾き」でゴールデン・グローブを賑わせ、問題作「ジーザス・クライスト・スーパースター」を発表した直後の油の乗り切った頃の、ノーマン・ジュイソン監督の>>続きを読む
「金は、ただ返せばそれで良い、とは言え無い。」
池井戸潤の作品にしては、珍しく銀行の一支店内の話で、出てくる人物もほとんど、その中で収まる範囲で、何か、せせこましさ満開であった。
しかし、相変わら>>続きを読む
あらあら、時計外しちゃったよー。ここら辺が潮時かも。
やはり、シリーズも進むとマンネリ感が出てくる。それを防止しようと、話を膨らませると、「ジョン・ウィック」のように、本筋から離れた話になってしまう>>続きを読む
この監督の作品では、初めて良いなと思った。他の作品とは違い、人物の掘り下げ方が深い。あくまで、原作が素晴らしいからだが。
高校カーストなんて、永遠に無くならないだろうが、あえてそこのみを描いた原作は>>続きを読む
若尾文子の放漫的な行動に振り回される、木暮美千代の悲劇。
血の繋がりは無くとも、妹想いの姉の行動によって、若尾文子が、一人前の花街の女として生きる事に目覚めるラストは、清々しい。
ここでも、出てくる>>続きを読む
原作は、昭和高度経済成長時代を描いた、珠玉の名作で、私は大ファンである。
ので、自ずと採点は辛くなるが、茶川と淳之介の話をメインに、感動の佳作に仕上げたと思う。
が、原作の昭和のほのぼのとした空気よ>>続きを読む
「シン・ゴジラ」よりも、本家にリスペクトしている姿勢は、評価できる。
でも昭和29年の時点て、もう完成している「ゴジラ」だから、それ以上を望んでも仕方ない。
オスカーで評価されたVFXが素晴らしいが>>続きを読む
男を手玉に取って生きようとする妹と、男に縋って生きる姉の姉妹の生き方の対比を、京都の祇園の乙部を舞台に描いた(甲部で無い所がミソである)戦前の溝口の傑作。
どちらも、結局男に裏切られ、悲惨な結末を迎>>続きを読む
アメリカ資本の和製スプラッター映画。
B級スプラッター作品の"TOKYO SHOCK"シリーズの第一回作品。
あくまで軽く、後に響かないグロさ。
天ぷらのシーンや、鍋のシーンは、コメディかと思うくら>>続きを読む
VFXには無い、魅力的な円谷英二御大の完璧な特撮。
俳優陣やエキストラまで、特撮作品とは思えない演技力。
この時代に、逃げる人々、殺戮される人々を、詳細に描いた勇気。
伊福部氏の現代にまで語られる、大>>続きを読む
松竹三羽烏の中では、圧倒的に庶民派で、良い人で、穏やかなベビーフェイスの佐野周二。彼の為の、彼を活かした作品である。(息子の関口宏は、いつから似ても似つかない、世間に嫌われる大ヒールになったのだろう?>>続きを読む
水木洋子の、兄弟と家族を描いた隙の無い脚本。
頑固で不器用なので、時代についていけ無いが、人一倍家族を思っている川師の父の山本礼三郎。
父譲りの生き下手で、粗暴だが妹思いの長兄を、いつものインテリな>>続きを読む
冒頭の画面いっぱいの「ひまわり」のシーンに、かぶさる神様マンシーニの華麗なるテーマ曲。これから名作が始まるという期待感満載のタイトルロールである。
戦争によって、仲睦まじい夫婦の仲が引き裂かれる物語>>続きを読む
みうらじゅん氏の原作は、自己青春こじらせ物語なので、特に盛り上がりも無い原作である。映像化は難しかったに違いないが、そこを田口トモロヲが、意外にオーソドックスな演出で、爽やかに描いた作品。
主演の渡>>続きを読む
やはり日本一のスタイリッシュな監督、中平康だけはある。
いつもの遠景、俯瞰ショットの多様なども素晴らしいが、
冒頭の小池朝雄氏のナレーションによる、ドキュメント・タッチの血液型の犯罪判定から、タイトル>>続きを読む
タイトルに騙されないで下さい。
閉ざされた空間のワンシチュエーション推理劇って出尽くしているので、あの手この手を使っているのだが、
元々閉ざされていないし、直ぐに逃げ出せるし、いや、なぜ逃げ出さない>>続きを読む
「インディー・ジョーンズ」になれなかったトム・セレックと、日本語英語をやたら発揮していた当時の健さんと、いつの間にか消えていった高梨亜矢の、ベースボールコメディ。
この当時はメジャーリーガーが、日本>>続きを読む
いじめ、ひきこもり、虐待などの問題を捉えているのだが、出てくる七人が共感できる人達で、自分の境遇と共鳴するのか、共に支え合おうという姿勢が感じられたので、重くはならなかった。
ベースのグリム童話は恐>>続きを読む
こういうサスペンスは、主人公に感情移入できるかが大きく左右するが、全く出来なかった。
最初、仕事の行き帰りの電車の中から、犯罪を偶然目撃してしまう主人公だと思っていたが、アル中でとっくに会社を解雇さ>>続きを読む
「嫌われたく無いから、怒れない。」
すごくよくわかる。私も一時期そうだった。いや、今もそうかも。
ドラマ版からのファンなので、高評価といきたいのだが、ドラマ版のラスト2回に比べたら、想像できる着地点>>続きを読む
輝かしい野村芳太郎×橋本忍の松本清張作品の出発点の作品。
いまだに多くの映画研究の題材とされている、オープニングの映像が素晴らしい。
横浜から飛び乗った刑事二人が、真夏の混雑する車両の中、佐賀まで一>>続きを読む
こちらを先に観ていたら、きっともっと良い点数をつけていたと思う。それ程素晴らしい脚本だったと思う。
しかし、後でオリジナルを観ると、本家も素晴らしいのだけれど、先に観た日本版のクドカンの脚本の素晴らし>>続きを読む
視点を変えれば、ただのストーカー物語なのだが、今時こんな純粋な恋愛を取り上げる事が良かったと思う。
主役の二人がとても対照的なのに、ピッタリ合うのが不思議だった。
前半の伏線貼りまくり、後半突然一気>>続きを読む
男に弄ばれ、世間に翻弄され、まるで川の流れの様に、逆らえずに衰退していく老舗の花街の芸者置屋を、当時の市井の風情を入れながら、家政婦が来て去る(おそらく)までの短い真夏の期間だけ描いた、珠玉の作品であ>>続きを読む
横溝正史は、土着の祟りや呪いなどの、ドロドロした見立て殺人の先駆者と見られがちだが、意外に財産相続や金がらみのドライな犯罪が多く、それらは、それをカモフラージュする為の犯人の手立てに過ぎない。
そし>>続きを読む
ヒッチ先生のイギリス時代の最高傑作だと思う。
わずか90分の中に、ヒッチのお約束の要素がギッシリ詰まっている。素晴らしい。
そして、無駄なシーンが、ひとつも無い。
偶然巻き込まれた主人公。
殺人を疑>>続きを読む
やはり素晴らしい。ジョナサン・デミの作品の中でも別格である。
オスカーにおける、サスペンス、ホラー、ウエスタンの差別は酷いもので、ホラー、サイコサスペンス作品に、光を当てた映画史上の偉業は、幾重にも>>続きを読む
全ての元凶は、日本の法律にある。
この国の法律は、女性に過酷な現実を強いるものとしか思えない。
それでも、「市子」に同情はしない。ただ長谷川と一緒で何もできないし、しようとしても無駄であろう。
映画>>続きを読む
夢野久作の原作は、さすがに日本三代奇書に選ばれただけあって、あの江戸川乱歩でさえ、「訳の分からない小説」と言わしめた超難解小説なのだが、あえて舞台を近未来の宇宙空間にしたこの作品は、それなりにわかりや>>続きを読む
凄く重く苦しいが、観終わって、明日に向かって頑張ろうと思える作品だった。
窪田正孝、安藤サクラ、妻夫木聡と素晴らしい配役だし、脇の小藪千豊、清野菜名。ちょい役のでんでん、柄本明にいたるまで、適材適所>>続きを読む
もう、ケイト、ブランシェットに尽きるでしょう。
作品自体は、それほど素晴らしいとは思わ無いが、時折観せるワンショットなど、中々凝ったカメラワークのできる監督ではある。
物語としては、音楽院の授業で>>続きを読む
パゾリーニといえば、最初に観たのが「ソドムの市」なのと、あの強烈な死に方とをふまえて、避けてきた感はある。
しかしこの作品を観て、やはり天才的な映像作品を作る人なんだと思った。
ここかしこに、左翼>>続きを読む
押井守は天才だと思うが、「劇場版パトレイバー2」のような、人気アニメに便乗して、独自の戦争論を押しつけてくるような作品もあり、少し距離を置いていた。
という事で、この名作は初見です。
やはり、素晴>>続きを読む
「幸福」と書いて、「しあわせ」と読む。
この男の「しあわせ」は、妻にとっても「しあわせ」では無かった。
暖かい日差し溢れる森の日曜日、今日は「父の日」である。夫婦愛し合い、可愛い男の子と女の子の四人>>続きを読む
まず最初に思った事、
国家諜報部員にストーカーされたら、えらい目に遭うのだなと。(そりゃそうだ。)
冒頭のパッと振り向く瞬間のインパクト。
いきなりの殺人の衝撃。
アシュレイ・ジャドを魅力的に魅せる>>続きを読む
大ヒットした怪盗コメディだけれど、今日的にはかなりツラい内容である。
ピーター・セラーズの出世作であるが、そのドタバタ感は、あまりに古すぎて、とても笑えない。
それでもまだマシで、当時の「5代スター>>続きを読む