原作は、昭和高度経済成長時代を描いた、珠玉の名作で、私は大ファンである。
ので、自ずと採点は辛くなるが、茶川と淳之介の話をメインに、感動の佳作に仕上げたと思う。
が、原作の昭和のほのぼのとした空気よりは、少し緊張感がありすぎると思った。
まず、鈴木オートの人々がまるで違う。
社長はあんな瞬間湯沸器じゃない。
穏やかな人物で、毎回変わる主役を上手く生かす、ほのぼのとした人として存在しているのに。
感情的な方が物語にメリハリがつくからだろうが、残念である。
一平と、女子に変わった六さんは、全然違うキャラだがまだ許せるが、「油まみれの天使」トモエさんが、ただの専業主婦とは、許せない。
その他、茶川竜之介も吉岡秀隆が演じると良い人過ぎる。やはり「コトー先生」にみえてしまう。
物語の難点を差し引いても、昭和高度経済成長時代を、見事に再現した素晴らしいCGとVFXを堪能する為だけの、作品なのかもしれない。
逆に山崎貴には、それ以上期待はしていないが。