あんまりアニメは観ない方だけど、本作は以前から気になっていて今回鑑賞。
人に合わせる事に長けている秀才がひょんなことから全く縁の無かった東京藝大を目指す青春群像劇。
東大よりも難関と言われる藝大への入学が如何に苛烈で困難か非常に良く分かる作品だった。
絵を描くという行為は、頭も体力も極限まで使う謂わば格闘技のようだ。特に藝大に於いては技術だけでは通用せず人間力そのものが問われる。
本作の素晴らしいところは、単に藝大入学の難しさを描いた作品ではなく、主人公の内省、葛藤、迷いや悩みを丁寧に掘り下げている点、家族や友人達との関わりによって次第に成長する様がきちんと描かれている点。
内面の描写が充実しており、藝大入試のしんどさだけでなく、絵画に対する向き合い方も観る者にもしっかりと伝わってきた。オススメ。
