ヒノモト

ダロスのヒノモトのレビュー・感想・評価

ダロス(1983年製作のアニメ)
3.5
懐かしアニメ続きます。
世界初のOVA。押井守監督作品。
『ダロス』40周年記念上映&トークショーを観に行ってきました。
押井守監督と「メタルギア」シリーズなどのゲームデザイナーの小島秀夫とのトークでした。

今作を見返したのも約40年ぶりでしたし、かなり内容もかなり忘れていたので、新鮮に観ることができました。
当時1度見て、あまり記憶に残っていないのは、少年だった私には渋すぎる題材だったため、あまり面白く感じなかったためだと改めて感じました。

トークショーでも押井監督が語られてましたが、テレビや映画では出来ない企画として、月の開拓民たちのクーデターと世代間ギャップ、そしてサボタージュを描くという、非常に尖ったお話で、その後より先鋭的な作品を生み出す流れの礎になっていると思うと、こだわりの強い映像になっていると感じました。

ただ、実際の現場は、「科学忍者隊ガッチャマン」などを手がけた鳥海永行氏との共同監督作で、全4話を話数ごとに分けて監督されていて、お互いの手がけたお話以外は知らなかったようで、全話を通して面白さが繋がっているかというと疑問が残るのは、そういう制作事情があったことを初めて知りました。

元々52本分の物語を4作に凝縮しているため、流れが速すぎるところもあるし、これからというところで唐突に終わってしまっているのも残念で仕方ない。

ただ、1980年代に移民問題の世代ごとの意識のズレを明解に描き、メカやガンアクション要素も存分に詰め込まれた世界観に、当時「うる星やつら」と同時期に制作していたとは思えないこだわりと、今になると分かる重みを感じる作品でした。
ヒノモト

ヒノモト