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向こうの果てのclydebarrowのレビュー・感想・評価

向こうの果て(2021年製作のドラマ)
3.5
松本まりかという女優の才能と演技力をナイフにして、ずっと喉元に突きつけられているようなドラマだった。

彼女の演技が過剰だと思った人も少なからず居るようだけれど、つまりは彼女の表現が演劇的なのだと思う。(脇を固める人たちは、オリジナルを上演した劇団の人たちだし。)アングラ全盛期、寺山修司や唐十郎の芝居に彼女がいたら、きっと面白かったのではないか。

話のスジは、有吉佐和子の「悪女について」や「嫌われ松子の一生」のパターン。救いのない生い立ちと、どろどろの人間関係は、「ザ・昭和」で、ある世代の演劇関係者が好きなパターンではある。好みの分かれるところだろう。

小泉今日子主演の芝居の方も観たかったな。

ともかく、松本まりかは代わる人が他にない面白い女優だと思う。
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