空の落下地点

メイドの手帖の空の落下地点のレビュー・感想・評価

メイドの手帖(2021年製作のドラマ)
3.0
被差別者視点からアメリカの実情を訴える。無職だと補助住宅が当たらないのは、正式な住所を得られないということだと思う。精神的DVの立証困難。依存女性から脱依存女性への圧力。賃金不払い、だけど人間と人間の関わりに発展することで逆にその人を顧客にできる。
支給された食料チケットを使うシーンでの差別。補助住宅の壁に黴が繁殖し体調悪化。

家じゃなくて人を見る。裸足のビリー、一種のプロファイリングみたいだった。踏み込んだ人にしか本当の姿は見えないんだ。ショーンと父親の違いは、罪と向き合ったか否か。父親は自らをスタイリングするのにキリストまで利用してる、アレックスの記憶回復に協力はしていない。
家賃補助を利用する前提だと大家から偏見を持たれる。貧困と悪行が結び付けられてしまう。
ショーンだって傷ついているっていうところにフォーカスしたのは良かった。
絵本のような家に住んでいる大家とそのパートナーは、いわゆる絵本的な良い子ちゃんしか需めていなかった。色んな出自の良い子がいる、というところまでは頭が回っていない。

愛のある家やポーラの家を見ていると、家はまるで生き方の結晶のようだ。
思考の流れを可視化することは、河になること。下手でもいい。不格好でもいい。何故なら、自分の世界には自分の河しか存在しないのだから。

空色の服を褒められた時の、「It’s not for you」が良かった。
空の落下地点

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