美ッフィー

AND JUST LIKE THAT… シーズン2/セックス・アンド・ザ・シティ新章の美ッフィーのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

なんだかんだ言って最後はめちゃくちゃよかった。おわかれパーティーでのキャリーの手放したいものスピーチとみんなのコメント。
SATCが長く愛されるのは、男女の愛よりもホットでウェットな女の友情と、女心をくすぐってやまないゴージャスな女子会。

途中のキャリーには物申したいことがたくさん。あんた昔エイダンに何した?とイラッときてしまった。よく連絡とれるなぁって…。私が友達ならキャリーを軽蔑してしまう。ビッグを選んでおきながら、ビッグが死んだらエイダンに戻る。人生そんな単純で簡単じゃない。ラストはやっぱりね。20年の月日はそう簡単に埋められない。キャリーが選ばなかった20年の中に、エイダンの人生は確実に存在してる。

だけどやっぱりキャリーのいいところは友情に厚いところ。ハンプトンズ行きの約束を忘れるくらい、いい歳こいた恋愛脳でも、距離を取ろうとするシーマを諦めない。サマンサを失った影響を感じさせて切ない。

今シーズンは前シーズンよりも面白かった。
レズビアンに目覚めてから様子がおかしかったミランダも、最後は冷静さを取り戻し、カッコいいキャリアウーマンに戻って、スティーブの存在の大切さに気づく。

シャーロットはアートディーラーの仕事を再開し、母でもなく妻でもない自分の人生を歩き始める。リリーのために大雪の中コンドームを買いに行ったり、ブレディとリリーの仲にやきもきしたり、夫の花火の不発(笑)の治療に尽力したりと、良き妻・良き母の姿もとってもキュート。

そして待望のサマンサ。サラジェシカやキム、どちらの言い分が正しくて何が真実かはわからないけど…このような形でも、サマンサの復帰を叶えてくれたふたりと、制作陣に感謝を伝えたいです。最高でした。

第2シーズンでは新キャラたちの魅力が光ってた。サマンサの穴は埋められないし、誰も代わりにはなれないけど…。

シーマはキャリーにとってかけがえのない相棒になりそう。バリキャリでセクシーで、サマンサの要素を感じさせつつ、アラフィフ独女の孤独や毒、可愛さを併せ持つ素敵な女性。無理矢理ベッドシーン入れなくていい。最後の女二人のビーチのシーン、ああいうのでいいから。どうかシーズン3でラビと大恋愛エピソードをぶちかましてほしい。

ナヤはブレディを妊娠しなかった時のミランダの人生を生きている女性。子供を持つことへの不安から離婚する。身も蓋もない言い方をすれば、既婚子持ちのミランダ・シャーロット・リサに対し、独身のキャリー・シーマ・ナヤとバランスを取った感じとはいえ、仕事で成功を収めても、それを分かち合う男がいない寂しさ、元夫がベビーシャワーの案内を送ってきてドン底になる苦しさ、無意味とわかりつつ元夫と嫁にマウントを取らないとやってられない無力感。ナヤにも共感してしまう。幸せになってほしくなる。セクシーなミシュランシェフとの出会い。シーズン3に期待。

そして最高に魅力的なのがリサ。彼女は本当全女性の憧れ。愛する夫、愛する子供、輝かしいキャリアと仕事、成功の証である自分の城・クローゼット。
妊娠して夫を責めるシーン。やっと自分の時間ができると思ったのに!とイライラするけれど、最後の選択肢は取れない。私なら出来る…と言い聞かせるように呟く。仕事と家庭の両立に悩みもがく女性たち全員が共感で泣いたはず。
からの、残酷な現実。最終話、キャリーのアパートのバスルームでのセリフひとつひとつが切ない。

魅力溢れる新キャラたちだけど、チェだけはどうも受け付けなかった。誠実に見えなかったな…。サラ・ラミレスはめちゃくちゃ魅力的な女優だけど、チェの言葉巧みな感じ、一切本音を見せないというか、適当に交わしてる感じがして1〜2シーズンずっとハラハラした。コメディアンという職業上仕方ないけど、ミランダとのことをネタにしたのは他人事ながら私もショック。ミランダやキャリーとは、いい友情を築いてほしい。

スタンフォード役の俳優さんを偲ぶシーン。随所に感じられる誤った日本観はまあいいとして、スタンフォードを作中で死なせなかったのは愛を感じた。シーズン2の名シーンのひとつ。

色々思うところはあったけど、見終えて思うのは、女の友情っていいなぁって。こんなのドラマの中だけかもしれないけど。女の人はいくつになっても、パッと電話して、聞いてよ!って言える友達と、ブランチしながらあーだこーだ言いたいもんなんだよね。

あー本当、私も気の置けない仲間と週一でモーニングかブランチ、定期的にパーティーやりたい人生だった。

最後に、賛否両論あるキャリーの発言について。
正直私はキャリーらしいなと思った。軟派なコラムニスト、ちょっとビッ◯な恋愛脳のキャリーなら言いそうって。

でも。
そもそもとして、このSATCという作品の扱ってるテーマ上、女性への性加害が問題になっているクリス・ノースには絶対的にNOを突きつける必要があると思う。
ドラマのシナリオとしては、ファンにはショックな発言だったかもしれない。でも、サラジェシカやシンシアニクソンをはじめとする、SATCを愛する制作陣的にはクリス・ノースのやったことはSATCに泥を塗る行為。
「あなたをチームに加えた選択肢は間違いだった」というクリスと、男性に虐げられる全ての女性への強いメッセージと受け止めました。

シーズン3の見どころは、キャリーとエイダンのその後(多分別れる。笑)、シーマの大恋愛、ミランダとスティーブ、ブレディとリリー、ナヤとトゥーサン、アンソニーと詩人、とまだまだ気になる伏線たくさん。

文句言いながらなんだかんだ真剣に全話を見て、最後に感動する自分が容易に想像できる。感想長すぎ。結局SATCやキャリーたちが好きなんだろうな、私。
美ッフィー

美ッフィー