タキ

おんな太閤記のタキのレビュー・感想・評価

おんな太閤記(1981年製作のドラマ)
3.4
太閤秀吉目線ではなくその妻寧々の物語としているが、そこは橋田壽賀子先生お得意のホームドラマという仕立てになるわけでめずらしく義母とは仲が良かったが、初回から口汚く秀吉をののしる寧々の妹ややとか秀吉の姉妹にあたる小姑たちとか、出世の道に邁進し家庭を顧みない夫だとか愛人問題だとか、まぁ話題には事欠かない。秀吉が妹あさひを離縁させて家康に嫁がせるという史実が特にお気に入りのようで、ずいぶん時間をとって見せ場を作っていたのが印象的だった。反面淀殿の内面にはほとんど興味がなく「愛人」という立場の女への冷たさが透けて見える。
平和を説く現代人の価値観で歴史を見るとこうなるが、西田敏行の秀吉はおそらく橋田壽賀子とは違った解釈なのではないかとにらんでいる。彼だけは平和のためといいながら口とハラが違っている欲深い男の業が最初から最後までみなぎっていた。

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