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悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?~のキッドのレビュー・感想・評価

4.1
テーマ的には現代の日本の会社内の課題に対してまりりんと小野忠を中心として向き合っていく内容。
社内恋愛の問題等解答のない問題には1つの考え方として解答を提示している。
まりりんと共に小野忠の成長ドラマで見ていて面白かった。
今作でもトップクラス。

まりりんの成長は社会人としての成長。
元々ガムシャラなアホだけど何事にもまっすぐと全力で取り組むからこそ、周りの人間が助けたいと思うことで、周りの人から助けてもらうと同時に、周りの人から様々なことを吸収しまくってどんどん成長していく。社会の中でこういう人間は本当に強い。なかなか存在しないけど笑

小野忠の成長は価値観のアップデート。
人間のベクトルの測り方、ジェンダー観、新しい世代の考え方への理解、他にも様々なものを蓋してきて、自分の価値観を重視してのし上がってきて成功してきた人間が、まりりんという全てをぶち壊してくる人間との出会いで考え方が少しずつ変わり始めてより優秀になって現代に対応できる考え方へと変わっていく。元々優秀だけど、元の価値観のままだと、この先に頭打ちになると同時に今後ハラスメント系の問題を引き起こしてしまう、起こさないとしてもその辺の意識に永遠に苦しむことになっていたから、このアップデートは必要なことだった。この小野忠の成長は現代の多くの社会人に必要なアップデートだなと感じた。

今田美桜と江口のりこの組み合わせも完璧だった。明るく考える前に行動に出るまりりんと、冷静で淡々としているのに気付くとまりりんのペースに巻き込まれている峰岸さん。それぞれの良さがぶつかって最高の組み合わせだった。

向井理や山瀬くんもなかなかいい味を出していた。
現実的にありえねーだろと思うこともあったけど、各回のゲストや新入社員等は現実にいる存在でなかなか興味深かった。向井理みたいな完璧社員はなかなか存在しないけど笑

扱ってる内容はなかなかの社会問題を扱っているのにまりりんと峰岸さん、小野忠のコントによって非常に楽しく見られる作品に仕上げていて、非常に楽しく見ることができる良い作品でした。
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