はんそく負け

ウルトラマンデッカーのはんそく負けのレビュー・感想・評価

ウルトラマンデッカー(2022年製作のドラマ)
2.4
序盤からずっと地味で、「いや、こっからっしょ…」と期待しつつも結局そのまま終わっていってしまった。地味なら地味でいいんだけど、地味なりの良さも出せていなかったと思う。7話にて『トリガー』の面子が今作キャラたちを食っていたのが良くも悪くも印象的。この回面白かったんだけど、でもデッカーの力ではなかった。
14話でもうひとりのデッカーが登場したときに、カナタが説得力をもって主人公性を獲得できる何かがあったらよかったのかなぁ、と思わなくもない。
あと、歩兵戦良くなかったと思う。全く映えないし、そこだけリアル志向でも…。
ただ、面白い回もいくらかある。10・12話のネオメガス編は平成三部作を踏襲した雰囲気で楽しめた。狂気の科学者ってどっか世紀末を感じるなーと。その他坂本浩一によるティガ・ダイナ的画面の再現はやはりどうしようもなく良い。
ベストは23話『絶望の空』。面会室、カナタとアガムスが向かい合う。アクリル板越しの切り返しから、カメラが寄って個人が画面を占有する切り返しへ。人物同士の距離が一気に縮まる。あと切り替わるタイミングが素晴らしい。「妻が」「レリアというのですが」ここで割るセンス。
その後アガムスが脱走し、黒煙立ち上る街をバックに振り返るショットも素晴らしい。『ウルトラマンコスモス2』を想起せざるを得ないショット。