THE 坂元裕二作品。
相変わらずキャラ付け、言葉選びが他の脚本家とは段違い。
それぞれのキャラが強烈で、お互いが惹かれ合い、お互いで影響し合い変化を伴っていく一方で、全員芯の部分は全く変わらない変わり者の集まりのストーリー。
キャラの個性の足し算ではなくかけ算で作り上げられている坂元裕二らしい作品。
物語のキーマンであり、過去のトラウマの影響で二重人格になってしまい、それぞれが違う人生を歩んでしまっている人間を演じきった松岡茉優。
変わり者だが非常にキレものでどことなく魅力があり、孤独な人生を送ってきたが友達の存在に触れて変わっていくという非常にセリフの多い人間を演じきった林遣都。
融通が効かず所謂空気の読めない人間だが、常に冷静で実は非常に友達を大切にする非常に不器用な人間を演じきった柄本佑。
優しさの塊だが、なんでもできる兄への嫉妬心等も隠し持っており、感情的になってしまうとやりすぎてしまう一面をもつ人間を演じきった仲野太賀。
誰よりも一つの事件の解決に執着し、結局なんだったのかよく分からん安田顕。
誰1人として欠けたら成立しない。
テンポの良いかけ合いも坂元裕二作品らしさ全開。
ただ作りとして謎な点が多数あったところが少し残念。
なぜ署長がスマホに執着したのか。
居酒屋で蛇女と殴りかかってきた男は何の男なのか。
署内の手柄全力男の事件へのひっかかり描写には何の意味があったのか。
この辺は脚本が作り込まれてなかった感が出てしまって少し残念ポイント。
ただ全体的には坂元裕二作品の良さがふんだんに出た良作ではあったかなと感じる。
坂元裕二はKHAOSを描くのがうまいな。