キムウンスク作家は本当に天才だなと思うけど、どんな言葉が人を傷つけ、どんな言葉に人は救われるのか、どこまでも深く考えている方なんだろうなぁ。
ヨンジンは肉体的にこれ以上ないほどドンウンを痛めつけていたけど、ドンウンを絶望させたのは、紛れもなくあの母親だろう。守ってくれるはずの存在に守られず、再び裏切られたドンウンの絶望は計り知れない。
ドンウンの緻密な計画により、一切手を汚さず法には触れず、相手を地獄に追いやっていく様は見事であり、無理矢理さを感じさせない理屈の通った筋書きはさすがの脚本だった。
勘の良い刑事が出てくるけど、彼はきっとすべてを悟っただろうに、ドンウンを追求しない情けをかけてくれた。まさにそれこそが人の心というものだろう。
人の心を持たない悪魔のようなヨンジンたちと対比させることで、刑事さんやヒョンナム、チュヨジョンらの尊さが際立っていた。
チュヨジョン、ドンウンの処刑人になってくれてありがとう。ドンウンの絶対的な味方でいてくれたチュヨジョンの存在が物語の大きな支えでした。キムウンスク作家はこういうナムジャが好きなんだな(私もです)
ヨンジンに与えた最大の復讐が何か分かったとき、ヨンジンを殺さなかった理由が分かったような気がした。これから見る人はぜひこの復讐を見届けてほしい。