IPPO

よくおごってくれる綺麗なお姉さんのIPPOのレビュー・感想・評価

4.0
途中5ヶ月も間が空きつつも半年がかりで観倒しました。
ここ1〜2年の韓国ドラマは本当にクオリティが高くてびっくりする。映像も音楽も出てくるロケ地もやたらに洒落ていて…いやぁたまげる。

本作も土台は文句なしのシャレオツドラマ。ソン・イェジン演じるキャリアウーマンで美しいのに恋愛運に見放されたアラフォー女性×チョン・ヘイン演じる美大卒のゲームクリエイター。まっすぐでスマートな優しい青年。

うん、設定もまずまず上出来だ。

だが、もう出てくる女性たちの底意地の悪さたるや…後半はもううんざりでした。

付き合った彼が弟の親友だっただけ。
付き合った彼女が親友の姉だっただけ。

それなのに、母親と姉のちょっと異常なんじゃないかというほどの反対ぶり。一番身近な人たちにあんな風に責め立てられたらつらすぎる。親が離婚していること、姉弟で頑張って生きてきたことをあんなにも厳しく罵るなんて人間性歪み過ぎてる。
でも、それも韓国の国民性なんだろうね。家族の繋がり(立派な両親が居るとか)や世間体(名声ある職業なのかとか)が本当に人生の基本中の基本なんだと思う。

たださ、やっぱヒロイン ジナはあかんよ。仕事に懸命に生きたい派なのか、結婚にとりあえず重きを置くのかはっきりしないもの。彼を心配させないようにといつも小さな嘘ばかり。1人で勝手に傷付いたり泣いたり…いい歳こいてなんやねん!そもそもいい歳こいて実家暮らしで料理もろくにせんで恋愛運無いとか自虐すんなや!だったら死にもの狂いで仕事しろや!

とかさ、そういう突っ込みが四方八方から届きそうなヒロインだったよね。
ジュニ(彼氏の方ね)の行動や発言はほぼほぼ正しかった常に。彼女の不安を取り除こうといつも一生懸命なのに、彼女の方が1人でええカッコしいでダメだわ。


そうそう、このドラマは韓国の社会問題として近頃話題になるオフィスでのセクハラ問題ももう一つのテーマとして描かれます。どちらかと言えば、恋愛模様よりもお仕事ドラマとしてこのセクハラトラブルの描き方の方が上手だったように思うんだが…自分だけ?笑

最後に面白く観たのは、ヒロインの長年の幼なじみであり大親友ギョンソンとは、展開上どんどん心の距離が出来てしまうんだけど、その一方で序盤はドライな関係だった職場同期のボラが終盤では程よいヒロインの理解者として立ち位置を詰めている。昔らの親友よりも、同僚にさらっと吐いてしまう方が楽な事ってあるよなって、納得。一度決定的に出来た親友との溝も埋まらないってのもつらいあるある…。

緻密に人と人との関係性の機微まで描く韓国ドラマってやっぱり面白い。

あぁ、普段韓国ドラマは見ないのに、まさか『個人の趣向』にハマった以来またしてもソン・イェジン主演ドラマにやられてしまった。

物語は真冬に始まりますが、ラストに近づくにつれ、爽やかな新緑の季節に移り変わり、キャストの衣装もスプリングコートが軽やかに移ろうのが見ていて素敵でした。

長々とすいません。
チョン・ヘインが何だかんだ素晴らしい。大ベテランソン・イェジン相手にここまでよく頑張った…それを思うとしみじみな作品です。
結末はどうぞご自身の眼で!!
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