よーすけカサブランカス

特殊作戦部隊:ライオネスのよーすけカサブランカスのレビュー・感想・評価

特殊作戦部隊:ライオネス(2023年製作のドラマ)
4.2
後日談もなく非常にあっさりとした中規模ドラマだな(モンタナの目撃者みたいな味わい)と思った反面、なかなか色んな層を物語に差し込んでるな、と面白く見た。
スパイの罪悪感と葛藤自体は真新しくないが、そこに男からの暴力という視点が加わり、見てる側も潜入先へ感情移入してしまう。ただそれによって標的死すべし、と作戦行動の是非が不問になってしまいそうなところには危うさを感じた。(最後クルスの「次のテロリストを生むだけ」という言葉が救いだった)。
興味深かったのは、テロリスト暗殺はあくまでCIAのみの願いで、ホワイトハウスは石油価格を鑑みて、否定的というやり取り。ケイトリンの夫の描写もそうだが、テロとの戦いという面だけでなく中東という混沌をコントロールしたい層(ボーダーラインでも描かれたこと)がかなり上にいることの不気味さが描かれていた。
個人的にはニコール・キッドマンの眼力と冷徹さが印象的で、製作にも関わっているだけあってか気合いを感じた。