はんそく負け

仮面ライダーキバのはんそく負けのレビュー・感想・評価

仮面ライダーキバ(2008年製作のドラマ)
2.8
再見。やっぱし名護さんが好き。みんな誰しも心に名護さんを抱えているのではないか。自分が一番優れていると信じ、他人のことは理解しようともしない。そういう言動を堂々ととる名護さんにはどうしたって惹かれるものがある。そんな彼がそれ故に躓き、もはや奇行とも呼ぶべき寄り道をしつつも、正義の炎に燃えて再び立ち上がる。この辺りは本当に良くできているなーと心から思う。
しかし井上敏樹のシナリオってあまりにショットが生まれないな、ということをここ最近考えてしまう。ストーリーは確かに面白いのだが、画面が全然跳ねない。初めて良い画面が現れたのは18話で、本作唯一のゲスト脚本回。どうもなにか、画面の自由を縛るものがあるのではないかと勘繰ってしまう。もちろん、序盤に顕著だが販促に苦心している様子がかなり見てとれるので、その影響も大きかろうと思う。
ベストは32・33話。演出・田﨑竜太。井上脚本でもショットを撮れる唯一の作家という認識。和興をフレーム内フレームに捉えたショット等とかく構図が決まっている上にあざとくない。この回だけ質の良いVシネマを見ているような風格を纏っている。