めぐぱん

14才の母のめぐぱんのレビュー・感想・評価

14才の母(2006年製作のドラマ)
3.5
リアタイでは見ていなくて、今回初見。
ゴールデンウィーク初日に2話まで見て、何か受け入れ難いものがあり、今日まで保留。

今朝から一気に見ました。


未成年の妊娠と出産に周囲の理解を得られず苦しむ場面もあったけれども、現実はこんなもんじゃないだろう。

大人でも1人で生計を立てていく事が簡単ではないこの世の中。

ましてや未成年が子どもを育てながら生きていくのは想像が出来ない。

美談には出来ない。

何て現実的なことを言っても仕方がない。

題材はともかく、この作品は生きることの意味や親の愛情を痛いほど思い知らされる。

「生きる。」って簡単そうで簡単じゃない。
人の生って自然なことだけじゃない。
大人たちの一存で選別もされる。
生まれた事がゴールでもない。
寧ろ、長い長い始まりで途中でギブアップも棄権も出来ない。

一方で、先々の想像力…いや現実を考えるにはまだ幼くて感情が先行しがちであっても、身体が機を熟していれば命を宿す事が出来てしまう。

ドラマとは言え、この2人は自分の未熟さや甘さに気付かされながら着実に腹を決めていく。(とは言え、大人から見るとあくまでも両親ありきの決意であり、幼さがあるのは否めない)

それでも未希には、母の強さを感じた。
14才でも母は母なんだって。

どうか世間の目に負けないで生きて欲しいと思ってしまった。
この時の決意を子どもに話せる日が来て欲しいと願ってしまった。

桐ちゃん、身体は大きくて大人顔負けでも、表向きは大人びたような事を言っていても、母親の庇護下に居ることがありありと分かる未熟な心で。
それでいて、母親の庇護下に居る事をイマイチ分かっていなくて。

優しい子だけど、腹を決められていなくて。

正直、腹ただしく思うこともあった。

だけど、母親の事業のことや未希の生き方を見て腹を決めていったね。(あくまでも15歳なりの覚悟だけど)


ずっと、どこか苦悩している顔だったけれど、最後は迷いのない顔になっていて良かった。

どうか、このまま変わらず居てほしいと願ってしまった。

2人とも演じるのがとても難しい役だったんではないだろうか。

当時16才の春馬くん。

この時、実生活で女の子の肌の柔らかさや匂い、肌を重ねる幸せと責任を既に知っていたのかどうかは分からないけど。

想像や経験では理解し難かったのではないだろうか。

それでも、演じきれて本当に凄い役者さんだなって思った。

いつかの番組で「最後まで桐ちゃんのことは分からなかった」というような事を言っていたようだけど。

私は何だかそんな君にホッとしたよ。

君は演じるのが大変だったかもしれない。
皆が観たくなるような数字の取れる作品が少なくて大変だったかもしれない。

だけど、この時から君は人間の弱さや複雑さを表現することに長けていた役者さんだったから、こういう作品のオファーが多かったんだね。
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