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BOSCH / ボッシュ シーズン3のkitoのレビュー・感想・評価

BOSCH / ボッシュ シーズン3(2017年製作のドラマ)
3.7
原作者のマイクル・コナリーが製作総指揮に乗り出しており、アクションは少ないが硬派の刑事ドラマになっている。ドラマ「キャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好き」に実名でたびたび出演しているコナリー本人は軽妙洒脱なイメージだけど、作風は本格派ハードボイルドだったりする。

ドラマも小説並みに人物相関が込み入っていて、今回、時間をかけて全10話を観たので、いささか置いてけぼりになってしまった。Amazonオリジナルのドラマは見放題から外れることはないだろうとつい先送りや時間をかけて観てしまいがちだけど、本シリーズは観ると決めたら一気見が必須だなあと痛感した。

本シリーズはシーズン毎に複数の原作があり、いっそう凝ったストーリーになっている。一応、第4シーズンの原作まで8作はすでに読んでいるのだけれど、もうかなり以前で忘れてるなあ。


余談だけれどーー
コナリーの原作小説には思い入れがある。

もう、二十年くらい前、書店で文庫を見つけ面白そうだと思ったのがキッカケ。その時すぐ気がついたのが、翻訳者が顔見知りの大学の先輩だったこと。何回か同じ講義も受け、話をしたこともあった。

彼は当時からSFマニアを自認していて、何より印象に残っているのが、会話の際、相手を "オタク呼び" していたこと。前世紀まだ現在のように "オタク文化" が広く市民権を得ていなかった時代、違和感を感じた同級生の女子たちがいつの間にか "オタク先輩" と呼んでいた。後年オタク文化の発祥がこの "オタク呼び" だったと知り、ものすごく腑に落ちた覚えがある。

私も中学生の頃から海外ミステリーとSFが好きで多少オタク気質があり、漠然と将来の道に翻訳家というのもありかなあなどと思った時期がある。

しかし、この先輩が「高校時代からSFファン活動を行う。大学ではSF研究会を創設。」(Wikipedia)などということを知ると、ああ、やはりなるべき人がなるんだなあ、私とは熱量が違うと思ったものだ。SF研究会に勧誘された際、うーん、これは違うなあと感じお断りしたあの時が、私にとっての分かれ目だったと妙に感慨深い、、、
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